風の遊子(ゆうし)の楽がきノート

旅人を意味する遊子(ゆうし)のように、気ままに歩き、自己満足の域を出ない水彩画を描いたり、ちょっといい話を綴れたら・・・

楽描き水彩画「築300年超。名古屋・四間道の『伊藤家住宅』で、水彩画を1日だけ展示」

2017-10-22 17:12:33 | アート・文化

 

道路を挟んで建つ伊藤家住宅

 

名古屋城に近い名古屋市の四間道(しけみち)町並み保存地区にある旧商家「伊藤家住宅」で22日、水彩画教室の仲間6人の作品を展示させてもらいました。この日だけの展示でしたが、築300年超の家屋の中で、未熟な絵も心なしか格上げされたように見えました。

四間道は、名古屋城を徳川家康の命で今の清須市から名古屋の現在地へ移転(清州越=きよすごし)した際に、城下の商人や職人らが一緒に移住。これまた家康の命で造った堀川運河を活用して米穀や薪炭、呉服、材木、醸造、家具商などを営んでいました。

伊藤家は、尾張藩の御用商人として米穀問屋を経営。現在の松坂屋の前身である呉服商の伊藤家も近くにあったので、堀川の側にあることから「川伊藤」とも呼ばれていたそうです。

住宅は、1722年(享保7年)に伊藤家が手に入れたとされる本家や、1746年(延享3年)から入ったという新座敷などからなります。4棟の土蔵や飛び石が並ぶ見事な庭もあり、歴史的建造物として愛知県の指定文化財になっていますが、普段は内部の公開はしていません。

しかし近年、四間道一帯は、伊藤家住宅はじめ石蔵など江戸期の町並みが人気を呼び、観光スポットに。我々の水彩画教室でも、今年2月にスケッチに訪れました。

地元でも四間道 ・那古野界隈まちづくり協議会が、名古屋市観光文化交流局歴史まちづくり推進室と協力して、歴史と文化を生かした街づくりを進めています。
22日には、伊藤家住宅の新座敷などを一部の見学会が午前10時から午後3時まで催され、市民ギャラリー栄で毎年「風の游子水彩画展」を開いている我々が、会場での作品展示のお誘いを受けたのです。

かまどがある大きな吹き抜け土間にイーゼルを並べ、10号サイズの水彩画を1人1点ずつ展示。それぞれ2月のスケッチ会で描いた堀川の五条橋や石積み蔵などの作品です。

超大型の台風接近という悪天候。「時間も短いので、入場者が100人もあれば」と思っていたのですが、降りしきる雨の中を、何と250人も。若い人の姿も目立ち、歴史ブームの一端を見たようでした。

僕も、合間を縫って住家の中を見学。風格のある太い柱と梁の木組みに、豪商の力と職人たちの技を感じ、歴史の重みと豊かさを知ることができました。


超大型台風接近の中を多くの人たちが訪れました