風の遊子(ゆうし)の楽がきノート

旅人を意味する遊子(ゆうし)のように、気ままに歩き、自己満足の域を出ない水彩画を描いたり、ちょっといい話を綴れたら・・・

楽書き雑記「名古屋の『ささしまライブ24』で全面開業した『グローバルゲート』を歩いてきました」

2017-10-07 06:47:46 | 日記・エッセイ・コラム

 

 

名古屋駅近くの笹島地区で進められている「ささしまライブ24」再開発事業の中心的ビルである「グローバルゲート」が全面開業。早速、自然美も取り入れた新ビルの商業施設やレストランを中心に歩いてきました。

笹島は旧国鉄名古屋駅の発祥地。名古屋駅が現在地に移転した後は貨物駅でしたが、これも1986年に廃止。
そこで、名古屋市が中心になり「ささしま24地区」の愛称で区画整理事業を計画。2004年には、名古屋駅~名古屋港金城ふ頭間に設けた第3セクター「あおなみ線」の「ささしまライブ駅」を開業させました。

リーマンショックなどで一時は足止め状態になったものの、2027年に東京~名古屋間に開通が予定されるリニア中央新幹線も追い風になって、愛知大学名古屋キャンパスや中京テレビ放送の新社屋、ホテル、マンションなどが次々オープン。
旗艦的存在といえる「グローバルゲート」の建設は、大和ハウスや豊田通商などが共同で進め、この10月5日に全面開業しました。

グローバルゲートは36階建ての高層ビルと、17階建て、4階建ての計3棟からなる複合ビル。
高層ビルの上階には名古屋初進出のプリンスホテルが入り、低層ビルには商業施設やレストランなどが入っています。

名古屋駅から直線で1キロほど。徒歩圏とはいえ、訪ねた6日はあいにくの雨とあって、名古屋駅から「あおなみ線」に乗車。一駅目の「ささしまライブ駅」で降り、グローバルゲートや愛知大学へ直接伸びる屋根付き歩行者用デッキを歩いて、傘をバッグに入れたままゲートに入ることができました。

入居した商業施設やレストランは、グローバルゲートの公式サイトなどによると49店。うち21店は名古屋初進出とか。
ゴルフやランニング用具、木工家具、ガーデニング用具、食器、書籍、雑貨などの店が、ゆっくり品定めできるよう比較的広いスペースをとって並べられています。

飲食店フロアにはラーメンからイタリアン、フレンチまで。
昼食タイムになったので、食材に愛知の伝統野菜や魚肉を使っているという店に入りましたが、なかなかの味に満足。値段もリーズナブルな印象を持って店を出ることができました。

さらに楽しませてくれたのは、各スペースにある緑の木々と屋上庭園。季節の草花が彩る回廊が続き、その向こうには、あいにくの雨に霞んでいたものの名古屋駅と周辺の超高層ビル群の景観が。また来たくなるナイススポットでした。

屋上庭園のススキの向こうには、霧雨に煙る名古屋駅と周辺の高層ビル群が





楽書き雑記「庭の厄介者だった品種のハギを掘り起こし、除去しました」

2017-10-06 06:53:52 | 日記・エッセイ・コラム

 

「それは、アレチヌスビトハギといって、北米から入ってきた帰化品種。花はいいけど、厄介でね。掘り起こして取り除くしかないよ」

先に、名古屋市緑化センターであった秋の七草展会場で、主催する花木生産農家の方から受けたアドバイスに従って、庭の厄介者だったアレチヌスビハギという品種のハギを除去しました。

このアレチヌスビトハギは、かなり前から我が家の秋の庭を演出してくれていました。1㍍近くの高さに伸びてピンクの可憐な花をびっしり付け、部屋の一輪挿しにも似合いの花でした。

しかし、花期が終わって種が実り始めると大変。庭に入るたびに種の房が衣服にベタベタとくっつき、飼っていた愛犬も体中が種まみれになり、ひとつずつ取り除いてやっていたものです。

近年は開花から数日後に刈り取り、種が実らないように。それでも、翌年には根や刈り逃した花の種から芽吹き、同じ状況を繰り返していました。 

そこで、先の秋の七草展で「どうしたものか」と相談、冒頭のアドバイスをもらったのですが、アレチヌスビトハギは漢字で書くと「荒地盗人萩」。なるほど厄介者らしいですね。

狭い庭を2㍍四方ほど占拠していた、アレチヌスビトハギの除去作業は予想以上に大変でした。
根は粘土質の30㌢ほどの深さに伸び、サザンカなど周りの木々の根も張っています。

久々に長靴を履き、スコップで根を掘り起こし、抜き取ること3時間。土の中に途中で切れて残った根が何本かありましたが、芽が出てきたらモグラ叩きのように取り除くことにして、一応けりをつけました。

跡地には、七草展の即売コーナーで買って保管してあった新しいハギを植えました。名前の通り真っ白な花が咲く白萩(シラハギ=シロバナハギ)と、白とピンクの花で染める江戸絞(エドシボリ)の2品種。花後の手間があまりかからない、秋の庭の主役になってくれればいいのですが。

 

 


(楽描き水彩画「再開発が続く名古屋で、ビルディングの解体現場を描く」)

2017-10-04 06:32:47 | アート・文化


2020年の東京オリンピックや2027年のリニア中央新幹線開業などに向けて、日本列島は都市部を中心に新たな再開発の時代と言っていいでしょう。

これは、名古屋で見かけたビルディング解体現場の風景。40号です。

数か月前、水彩画教室の仲間たちと昼食に入ったレストランの窓際の席から、声が上がりました。「すごね。ビルの解体現場をこんなに近くで見たのは初めてだよ」
隣のテーブルから立ち上がった僕も、目が引き寄せられました。このような現場を絵にしたいな、と思っていたからです。

名古屋では、リニア中央新幹線の東京~名古屋間が27年に開通するのをにらんで、名古屋駅周辺や栄地区などで大がかりな再開発が進んでいます。少し前まであったビルが突然消え、新しい超高層ビルが出現するといった具合です。
絵を趣味にして「名古屋が様変わりする時代のひとコマを描いてみたい」と思ったのが動機でした。

とはいっても、仕事でいろんな現場にヘルメット姿で出入りできた現役時代と、リタイアした今との違いを改めて知らされます。
現場は高い衝立で囲われ、近づけないだけでなく、中の様子が見えないのです。通行人や周辺の安全、防塵、防風、防音、防犯、それに都市景観などのためにも、衝立を設けるのは当然のことですが。

近くの高層ビルのテラスや外の風景が見えるエレベーターから工事現場を一望したり、クレーン車やミキサー車の出入り口から垣間見たりの努力はしました。しかし、思った光景とはなかなか出会えず、今回の解体現場を目の当たりにした時は「よしっ」と興奮したものです。

描くために翌日も出かけ、じっくりウオッチ。大型クレーンの動きや防塵のための散水風景など、どれにするか迷いましたが、解体中のビルの様子を少し広く捉えることに。
数多く垂れていた鉄筋や、コンクリート塊の数や形を少し変えたものの、できるだけ現場に忠実に描きました。

それにしても、現場が意外に整然とし、工事の進行も予想以上に早いものです。しばらくして出向くと解体は終わり、新しいビルの建設が始まっていました。

自然の風景などを描くのとは違った楽しさと、出来はともかく途中で投げ出さずに描き終えた満足感。それに日本の建設力のすごさを知ることもできました。
作品は、名古屋市博物館で10月9日(祝)まで開催している、第31回日本水彩名古屋支部秋季展に出展しています。

 

 


  落書き雑記「地下鉄車内での急病人発生に、乗客がとった行動=開業60周年。名古屋市営地下鉄でのひとコマ」

2017-10-02 06:43:07 | 日記・エッセイ・コラム

開業60周年を迎えた名古屋の地下鉄。文中の駅とは関係ありません

名古屋市の市営地下鉄が開業60周年を迎え、さまざまなイベントが催されています。
現役時代の通勤だけでなく、現在も週に3~4回は利用する僕。車内広告に目をやり、スマホ族のひとりになるひとときですが、時にはハプニングにも出くわします。もう何年か前のひとコマです。

朝のラッシュが終わり、座席が8割ほど埋まった車内でした。途中から乗ってきた5~6人の大学生グループが、立ったままスポーツバッグを床に置いて談笑しています。

でかくて長身。ひと目で体育会系と分かります。「多分、○○大だな」沿線にある大学を想像しているうちに、僕の乗換駅。座席を立ちドアに向かった時でした。

突然、バタンと音がしました。通路に乗客の1人が倒れています。高齢の女性のようです。

「どうされたのですか?」「大丈夫ですか」。駆け寄り、しゃがみ込んで声を掛ける大学生たち。
「こんな時は、体を動かしたらダメだよ」。中年の女性の声が聞こえます。
大学生たちなら患者をプラットホームへ運び出せそうですが、患者は女性の言葉通りの状態なのでしょう。

電車が止まりました。「自分はどうすればいいのだろう?」
ホームに駅員の姿は確認できません。
同様の思いの人たちでしょう。何人かがドアから出ると、最後尾の車両からホームを見ている車掌に向かって声を上げたり、両手を上げて×印をつくったり・・・。

「電車から離れてください」「危ないですから離れてください」
アナウンスが響きます。でも、誰ひとりホームから離れません。患者は一刻も早い処置が必要なはず。ここは乗換駅なので駅員も比較的多く、手早く対応できる。離れてしまえば動き出すのでは、と思ったからでしょう。

車掌も異変に気付いてくれたようです。
駅長室も画面のホームの様子に事態を判断したのでしょう。アナウンスも止みました。
比較的近かった先頭車両から運転士が走ってきて、患者がいる車両に乗り込みました。「後は私どもでやりますから」。そんな声が聞こえ、僕もその場を離れました。

居合わせた乗客にとって、駅員が見つからなかった場合、他のことができるでしょうか。ホームには緊急連絡の電話もありますが、その時は目に入りませんでした。
車内やホームの非常ボタンを押す方法は、かえって混乱するかも知れません。スマホでの連絡も意外と手間取りそうです。

集改札口の駅員や駅長室に知らせに走るのは――。平常時に探した経験だと、小さな駅では集改札口の駅員が不在のことも。集改札口のマイクに声を掛ける手もありますが、大きな駅で駅長室を探すのは結構大変です。
エスカーターや階段の上り下りなど、モタモタしていれば、患者が救急処置を受けられるのは何駅か先になるでしょう――。

ハプニングのあと、駅員を見つけられなかったことが気になりました。
ラッシュ時を過ぎると、ホーム全体でもあまり見かけないのは限られた駅員ではやむをえないでしょうが、駅員の制服が工夫できないかと思います。

とりわけ夏場の服装。白いワイシャツ姿では、ホームだけでなく階上のコンコースでも、少し離れると大勢の乗客らと見分けるのは容易ではありません。帽子も含めて色やデザインが一目で「あっ、駅員さんだ」と分かるようにすれば、乗客の安心感や親しみも一層増すことでしょう。

「不審物を見かけられましたら・・・」。テロ対策の車内アナウンスを耳にしますが、今回のような時の乗客の対応への呼びかけはありません。
でも、言い換えれば乗客はマニュアルなどなくても、今回のように行動したのです。

大学生たちの素早い動きや、「体を動かしてはダメだよ」と呼びかけた女性の冷静な知識と判断、車掌らに異変を知らせようと行動した人々。
これらのシーンを振り返りながら、乗り換え線ホームへ向かう僕の足取りが軽かったことがよみがえります。