風の遊子(ゆうし)の楽がきノート

旅人を意味する遊子(ゆうし)のように、気ままに歩き、自己満足の域を出ない水彩画を描いたり、ちょっといい話を綴れたら・・・

楽書き雑記「1位だった人気が5位に落ちたのは何故?=東山動物園のゴリラ」

2020-12-01 07:23:04 | 日記・エッセイ・コラム



名古屋・東山公園の動物たちに対する、子どもたちの人気投票結果が発表されました。
結果は①コアラ②キリン③ゾウ④ライオン⑤ゴリラ。2018年の前回調査で、イケメンゴリラ・シャバーニの人気もあって1位だったゴリラが、何故5位にまで落ちたのだろう。大きな新居が完成して引っ越してきたというのに。できるだけ子ども目線になったつもりで考えてみました。

2年前の秋、野生の環境に近づけ、伸び伸びと暮らす動物たちとヒトとの距離を縮めようと造られた「アフリカの森」は、650㎡の屋内展示・寝室と、1360㎡の屋外運動場からなります。どちらにも、高いタワーやロープ、丸太組み、遊具などがあり、ゴリラとチンパンジーがほぼ半分ずつ分け合って暮らしています。暗くて狭かった旧舎とは比較になりません。
でも僕の錯覚かもしれませんが、この広さが見物客からは、ズームカメラでなければ実際の距離よりも遠く感じてしまうのではないか、と思うのです。

屋内でのゴリラ一家の5匹たちは、思い思いにフロアに座ったり高い所へ登っていますが、ガラス越しに見える姿は遠く、動きもあまりありません。逆光で見るせいもあって、まるで黒い塊のようです。室内の匂いやゴリラの声、モノを食べる音などがさほど伝わってくるわけではありません。

ゴリラ人気のシャバーニが窓ガラス近くにある高いポールの上にいましたが、見上げて見えるのは彼のでっかい尻だけ。イケメンぶりや自慢のシルバーバックはよく見えません。

長らく待って、シャバーニが降りてきたのがここに掲載した写真ですが、それまでの間に多くの親子連れ客が見るのを諦めて離れて行きました。
屋外運動場ではゴリラたちが食べたり、遊んだりする様子を上から見下ろしたり、タワーにいる姿を見上げたりできます。ただ、こちらも旧舎に比べると何故か遠くに見えてしまう感じです。
掲載した屋外の写真はチンパンジーがタワーにいる場面ですが、旧舎の方がチンパンジーをよく見えたように思います。新しい運動場のタワーの柱やロープ、おどり場なども、できるだけ邪魔にならないように設計されているとは思うのですが・・・。

ゴリラの子どもたちが成長して、父子の「ツレション」風景など、シャバーニのイクメンぶりを見る機会が減ったことで親近感が薄れたこともあるでしょう。
もう一つ、旧舎では濠を挟んで、ほぼ同じ高さで対面する形だったので、目と目が合ったと感じる瞬間が何度もありました。目が会えば、子どもたちにとっては動物園での思い出シーンとして強く残るでしょう。僕もシャバーニと目が合ったことが嬉しくて、早速絵に描いたものです。
動物たちを立体的に見えることは素晴らしいのですが、角度が大きく違ったり、逆光のガラス越しでは目が会う感じがすることは少ないでしょう。

では、どうすれば――。改善策というほどではありませんが、逆光を少なくしたり小型ズームカメラ程度の望遠鏡の設置はどうでしょう。ゴリラたちの動きに連動して作動するズームレンズでリアルタイムに捉え、大型スクリーンに映し出すことや、費用は掛かりますが空中回廊の設置も考えられます。いずれにせよ、新舎の狙いである親近感をより高める工夫が欲しいと思いました。

 

これはチンパンジーが屋外の運動場にいる時です

 

以下は人気投票上位の動物たちです

人気投票1位のコアラ

2位のキリン

3位のゾウ

4位のライオン