リタイア暮らしは風の吹くまま

働く奥さんからリタイアして、人生の新ステージで目指すは
遊びと学びがたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

忘れないように

2014年11月11日 | 日々の風の吹くまま
11月11日。晴れ。カナダではRemembrance Day。今年は第一次世界大戦が始まってか
らちょうど100年。技術の進歩が戦争の様相をがらりと変えた。休戦協定が結ばれたのは
1918年11月11日午前11時。英連邦各国では戦没者追悼の行事がある。

     
ロンドン塔の周囲を埋め尽くした赤いケシの花。まるで戦争で流された血の海を象徴するか
のような赤。2人の芸術家によるインスタレーションが大反響を呼び、何百万人もが訪れて、
それぞれに戦争に対する思いを新たにしたという。ケシの花はRemembrance Dayのシン
ボルで、今日最後の1本が立てられた。その数888,246本。英連邦の戦死者の数。ベル
ギーの激戦地イプルで親友を失ったカナダ人の軍医ジョン・マクレーが咲き乱れるケシの花
を見て書いた詩『In Flanders Fields』(フランダースの野に)に由来する。

     In Flanders Fields the poppies blow
     Between the crosses, row on row,
     That mark our place; and in the sky
     The larks, still bravely singing, fly
     Scarce heard amidst the guns below.

     We are the Dead. Short days ago
     We lived, felt dawn, saw sunset glow,
     Loved and were loved; and now we lie
     In Flanders Fields

     Take up our quarrel with the foe:
     To you from failing hands we throw
     The torch; be yours to hold it high.
     If ye break faith with us who die
     We shall not sleep, though poppies grow
     In Flanders Fields.

この詩は戦場で倒れた前途ある若者たちの無念を詠った、ある意味で反戦詩。カナダの子
供たちは学校でこの詩を覚える。今年、ワタシはこの詩をしっかり暗誦できるようになった。
暗記べたのワタシがすんなりと覚えられたのは、放浪しがちなワタシの心の中にカナダに
対するpatriotismが芽生えたからだと思う。他人の人格を否定することで自己肯定感を得
ることはできないように、Patriotismは他国を排除することで実現できるものではない。自
分の人格は自分で守らなければならないとすれば、自分の「居場所」である国が脅かされ
たときは自分で守らなければならないということ。戦争は嫌いだけど、不条理な脅威や抑圧、
憎しみや嫌悪にさらされて苦しんでいる人たちに、汝戦うなかれと、ワタシは言えない。

Lest we forget.