リタイア暮らしは風の吹くまま

働く奥さんからリタイアして、人生の新ステージで目指すは
遊びと学びがたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

旅の空から~遠方より押しかけて来たる友あり

2018年10月20日 | 日々の風の吹くまま
10月19日(金曜日)。曇りがち。予想最高気温は18度だそうで、風もあって肌寒いんだそうな。私たちにはちょうどいい陽気だけど、蒸し暑い夏を過ごした人たちにはちょっぴり寒いのかも。日本での長逗留も残り1週間を切って、ホームストレッチ。わりとのんびり過ごして来たけど、今日は昼と夜の予定があってちょっと忙しい。昼はカナダの演劇作品の日本語訳第一人者であるY先生。今回は釧路で寿子が集めてくれた『アイヌ逓送人吉良平治郎』の脚本や資料集をお見せしながら、日本とカナダの先住民の演劇を通じての文化交流という構想を聞いていただいてもらうつもり。夜は中学1年からの親友に会いにさいたまへ遠出。

☆☆☆☆☆

10月20日(土曜日)。晴れ。いやぁ、きのうは楽しいことが盛りだくさんで興奮しっぱなしだった感じ。Y先生とのランチでは、ビルの引退と新芸術監督アシュリーのことやArts Clubの近況を報告してから、文化交流構想をかいつまんでお話したら、さっそく賛同してくださって、台本や資料をご覧になりながら「ぜひおやりなさい」。そしてこういう形式にすれば政府や企業からの助成金を獲得しやすいよ、具体的になって来たら日本側からの支援をするよと、観客席からぽっと出て来てとんでもない大ぶろしきを広げているワタシの背中をずんずんと押してくださって大感激。これはもう本気でリタイアして、意を決して深みに飛び込まないと申し訳が立たないよね。でも、釧路で脚本家と会い、阿寒湖畔のイコロシアターでアイヌ人の古代舞踊と歌声に自然に心が共鳴するのを感じて、ワタシなりに自分のルーツとアイデンティティを確信して来たこともあって、Y先生の後押しでこのプロジェクトは何としてでも実現したいっと決意も新た(どこまで行けるかわからないけど)。がんばります!

今日はさいたまの与野に住む仲良しのおりょうのところへ。新宿駅で埼京線の(正しい)ホームを見つけるのに手間取って「ヘルプ!」の電話をする一幕があったけど、無事に赤羽で京浜東北線に乗り換えて与野駅に到着。政治家を出した家柄のお嬢さまだけど気っ風のいい性格なもので中学の頃から「おりょう」と呼んで来た良子がご主人と一緒に駅で迎えてくれた。ご主人が貿易関係の仕事をしてきた人なので英語が堪能だし、おりょうもずっと英語教室に通っているので、会話は4人の時は英語、ご主人とワタシも大半は英語で、おりょうとワタシだけの時は日本語。演劇交流の話から、小学校のクラスにはアイヌ人の子が何人かいたけど、誰も特に意識してなかったねという話になって、テレビが入り込んでくる前の最果ての地の私たちにとって津軽海峡以南は教科書に出て来る世界で、ひたすら子供らしく無心に遊びほうけていた幸せな時代だったねえという話になって、埼玉の旧家の生まれ育ちのご主人は「北海道はオレには異文化だなあ」。はて、単一民族を誇る日本にだって北海道に行けば独自の言語と文化を持った先住民がいるという事実をその異民族がいる「北海道は異文化圏」的な感覚に置き換えているんじゃないかという気がするけど。

おりょうのおいしい手料理を楽しみながらいろんな話が弾みに弾んで、そろそろお暇をと腰を上げたのは10時過ぎ。京浜東北線で秋葉原まで行って、終電近くの総武線快速のぎゅうぎゅう詰めラッシュにもまれながら帰って来たらもう11時過ぎで、そのまま2人ともそのままバッタン、グー。かの孔子さまは「友あり、遠方より来たる、また楽しからずや」とのたまわったそうだけど、こうやって遠方より押しかけて来て、楽しいひと時を過ごせる友がいるというのはまことに幸せならずや。