10月2日(土曜日)。☁🌤⛅。いやあ、きのうは楽しかったぁ。前菜もサラダも鴨のコンフィもみんな大好評で、特に腕まくりをして大奮闘したわけじゃないけど、シェフ冥利に尽きる気分。ドイツ系でソーセージ通というダグがサラダに添えたソーセージを気に入って、「どこで売ってる?」と聞くから、行きつけのSave-On-Foodsのスペシャルティアイテムのフリーザーにあるのよ。鴨の足も同じフリーザーに胸肉と一緒に置いてあるの。家ではダグが主に料理をするということで、コンフィに不可欠の脂を自分で精製する方法とか、ポケの作り方とか、キッチンでのあれこれ料理談義も楽しかったなあ。お開きなったのはそろそろ10時という頃で、2人が持って来た白ワイン1本とワタシが用意した赤ワイン2本はどれもぜぇ~んぶ空っぽ。超が付く久しぶりの「おうち会食」は大成功。
今日は普通の日に戻って、土曜日の掃除。ラジオから、きのうメトロタウンであった地域一帯の封鎖と武装した警察によるものものしい捜索は、大山鳴動して鼠一匹見つからなかったというニュース。銃声が聞こえて、メトロタウン駅ではパイプ爆弾があるという通報は嘘だったわけで、今あちこちで問題になりつつあるswattingという悪質ないたずらの疑いで調査しているとう話。このswattingというのは警察に虚偽の通報をして、SWATチームという機動隊のような武装チームを出動させるというもので、どうやらゲーマーたちのコミュニティが発祥地らしい。やる方はいたずらのつもりかもしれないけど、警察への嘘の通報はれっきとした犯罪。特殊な武器を持ったチームが出動するわけで、アメリカでは死者が出たケースがあって、このときは通報した26歳の若者が逮捕されて懲役20年の実刑判決が出たという。IT技術で身元を隠す方法がいくつもできて、しかも裏サイトで商売にする輩まで現れて、一種のサイバー攻撃になりつつあるとか。まあ、人騒がせないわゆる愉快犯なら捕まえるのはわりと簡単らしいから、きのうの事件もそっちの方向に向かうといいけどね。
こういうことをゲーム感覚でやられたんではたまったもんじゃないけど、デジタル時代、インターネット時代になって、物心ついたころから仮想空間のゲームやソーシャルメディアの中で育った世代が、人間の人間たる本質そのものを変えつつあるような気がする。人間の思考のプロセスは、基本的に無限の広がりを持つ空間でその人を囲む様々な事象との関連性(コンテキスト)を意識しながら進めるアナログなものだと思うんだけど、IT依存のデジタル思考にはそのコンテキストが抜け落ちているような気がしてならない。ゼロと1を組み合わせた言語で「考える」コンピュータはデジタル思考の最たるものだろうけど、それが本来アナログな人間の脳内で「ゼロか1」の二択的思考になってしまって、しかもその選択が衝動的になっているように見える。まあ、ゼロと1の間の無限空間を通らない分、思考に要する時間が飛躍的に短縮されたということなのかもしれないけど、もしかしたらIT技術そのものが賞味期限を過ぎてしまったのかも。
つらつらと思うに、人間のやることって、初めの意思や意向とは全く反対の方向に発展したり、似ても似つかない結果を生むことが多いな。ソーシャルメディアも然り。FOMO(取り残され不安症)を生んでスマホ依存症を増やし、WOKE(社会意識高い系)を生んで、究極のいじめとも言える「キャンセルカルチャー」に発展させ、人間同士の理解とつながりを深めるどころか、社会の分断を深めて、ぶっちゃけ、誰が書いたのかもわからない「マニュアル」に従わないとどんどん生き辛い人生にしているように見える。ゼロと1の間には喜怒哀楽の豊かな空間が無限に広がっていると思うんだけどなあ。人類そのものがこの地球上での賞味期限を過ぎたということじゃなければいいけど。