10月29(金曜日)。🌥🌤(バルセロナ)。ちょっと怪しい雲行きだけど、今日は1日バルセロナ観光。朝ご飯は宿泊料金に含まれているので、8時近くなってロビーへ降りて行って、「a」という風変わりな名前のレストランでコンティネンタル・ブレックファスト。このレベルのホテルやレストランだとスタッフの英語のレベルもかなり高いので、何か普通に英語で通ってしまって、ときどきどこの国にいるんだっけ?みたいな気分になる。まあ、ヨーロッパはいろんな面で北アメリカとは違っているし、逆のことも多いから、そのたびにヨーロッパにいることを改めて認識するんだけど、楽しい違いもあれば、不便な違いもあって、どっちも異国の旅の経験として吸収するのが一番。
ツアーガイドさんが10時に来る前に、9時にドクターがホテルまで出張してくれて、帰国に必要なPCR検査。今回は鼻の奥に綿棒を突っ込む方式じゃなくて、小さい容器に唾を貯めるやり方。口をもぐもぐさせて唾を貯めてはペッとやって、もっと必要と言われてまたペッペッ。まあ、鼻をぐりぐりやられるよりは楽だけど、めんどくさいな。こんなの早く不要になってほしいもんだ。検体を採取して、クレジットカードで支払いをしたら、後は24時間以内に結果が送られてくるのを待つだけ。
予定通りにガイドのマールさんが来て、小路の外で待っていたダニエルが運転する黒いベンツに乗り込んで、まずはバルセロナに来たら何が何でも見逃せないサグラダファミリア教会へ。写真で見て知ってはいたけど、車を降りて見上げたとたんに想像を絶する規模に猛烈な感動。世界のどの言語にもぴったりする形容詞はないんじゃないかと言う気がする。マールが入口の彫刻の意味を説明してくれて、ガウディの思いや信条が何となくわかって来たような気がした。サグラダファミリアにはガウディに魅せられてカトリックに帰依してバルセロナに住み着いた日本人彫刻家がいて、その名は外尾悦郎。観光客がぞろぞろと通る門の扉『生誕の門』はすごい。見とれているとテントウムシやカブトムシやいろんな虫が草の中に潜んでいるのが見えて来て、自然の造形からインスピレーションを得たガウディの視線そのもの。直線がないのは自然の躍動感を表現しているからで、生命というものは常に動いているんだってことを言いたかったんだなあと、ワタシながらにナットク。教会の中に一歩足を踏み入れると、これまた形容詞が見つからないステンドグラスの壁に圧倒されて、ため息ばかり。
カルカソンヌからバルセロナに戻って来て一番先に感じたのは街並みの色彩の温かさ。やっぱりカタルーニャ人の色彩感覚なのかな。ガウディのデザインは一見奇抜な感じがするけど、バルセロナの街並みに見事に溶け込んでいて、違和感がないから不思議。丘の上にあるグエル公園(カタルーニャ語発音は「ウエル公園」)はいわば高級分譲地開発のプロジェクトのようなものだけど、発想が斬新過ぎて時代の先を行きすぎていたせいで不成功に終わったという。でも、バルセロナはガウディ、カタルーニャはガウディ。ガウディに始まってガウディに終わるという感じで、ワタシの中にも何かずんっとこみ上げて来るようなインパクトがあったように思う。見上げ過ぎて首が痛くなっちゃったけど。