リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

旅の空から~バルセロナでガウディとの出会い

2021年10月30日 | 日々の風の吹くまま
10月29(金曜日)。🌥🌤(バルセロナ)。ちょっと怪しい雲行きだけど、今日は1日バルセロナ観光。朝ご飯は宿泊料金に含まれているので、8時近くなってロビーへ降りて行って、「a」という風変わりな名前のレストランでコンティネンタル・ブレックファスト。このレベルのホテルやレストランだとスタッフの英語のレベルもかなり高いので、何か普通に英語で通ってしまって、ときどきどこの国にいるんだっけ?みたいな気分になる。まあ、ヨーロッパはいろんな面で北アメリカとは違っているし、逆のことも多いから、そのたびにヨーロッパにいることを改めて認識するんだけど、楽しい違いもあれば、不便な違いもあって、どっちも異国の旅の経験として吸収するのが一番。

ツアーガイドさんが10時に来る前に、9時にドクターがホテルまで出張してくれて、帰国に必要なPCR検査。今回は鼻の奥に綿棒を突っ込む方式じゃなくて、小さい容器に唾を貯めるやり方。口をもぐもぐさせて唾を貯めてはペッとやって、もっと必要と言われてまたペッペッ。まあ、鼻をぐりぐりやられるよりは楽だけど、めんどくさいな。こんなの早く不要になってほしいもんだ。検体を採取して、クレジットカードで支払いをしたら、後は24時間以内に結果が送られてくるのを待つだけ。

予定通りにガイドのマールさんが来て、小路の外で待っていたダニエルが運転する黒いベンツに乗り込んで、まずはバルセロナに来たら何が何でも見逃せないサグラダファミリア教会へ。写真で見て知ってはいたけど、車を降りて見上げたとたんに想像を絶する規模に猛烈な感動。世界のどの言語にもぴったりする形容詞はないんじゃないかと言う気がする。マールが入口の彫刻の意味を説明してくれて、ガウディの思いや信条が何となくわかって来たような気がした。サグラダファミリアにはガウディに魅せられてカトリックに帰依してバルセロナに住み着いた日本人彫刻家がいて、その名は外尾悦郎。観光客がぞろぞろと通る門の扉『生誕の門』はすごい。見とれているとテントウムシやカブトムシやいろんな虫が草の中に潜んでいるのが見えて来て、自然の造形からインスピレーションを得たガウディの視線そのもの。直線がないのは自然の躍動感を表現しているからで、生命というものは常に動いているんだってことを言いたかったんだなあと、ワタシながらにナットク。教会の中に一歩足を踏み入れると、これまた形容詞が見つからないステンドグラスの壁に圧倒されて、ため息ばかり。

     

     

     

カルカソンヌからバルセロナに戻って来て一番先に感じたのは街並みの色彩の温かさ。やっぱりカタルーニャ人の色彩感覚なのかな。ガウディのデザインは一見奇抜な感じがするけど、バルセロナの街並みに見事に溶け込んでいて、違和感がないから不思議。丘の上にあるグエル公園(カタルーニャ語発音は「ウエル公園」)はいわば高級分譲地開発のプロジェクトのようなものだけど、発想が斬新過ぎて時代の先を行きすぎていたせいで不成功に終わったという。でも、バルセロナはガウディ、カタルーニャはガウディ。ガウディに始まってガウディに終わるという感じで、ワタシの中にも何かずんっとこみ上げて来るようなインパクトがあったように思う。見上げ過ぎて首が痛くなっちゃったけど。

     
 


旅の空から~カルカソンヌからバルセロナへ

2021年10月30日 | 日々の風の吹くまま
10月28日(木曜日)。☁(カルカソンヌ)。🌥🌤(バルセロナ)。寝坊しないように6時45分にセットしておいた目覚ましが鳴っているのになかなか目が覚めなくて、慌てて起床。EUはまだ夏時間なので、日の出は8時ごろで、外はまだ暗い中で朝ご飯。大好きになった山羊の乳のヨーグルトもこれでおしまい。陽気なおばちゃんともお別れ。朝ご飯が終わって出るときに、おばちゃんが大きな声で「オルヴォワール」。ワタシも手を振ってオルヴォワール。勘定を精算して、荷物をホテルの車でバルセロナからの迎えの車が待っている城壁の外の駐車場へ。カルカソンヌでは雷雨注意報が出ていたけど、バルセロナは晴れ。

バルセロナへ向かう高速道路はこのあたりの物流の大幹線ということで、大型トラックがずらり。フランスのトラック、スペインのトラックはもとより、デンマーク、イタリア、ハンガリーから来たらしいトラックも走っている。スペインからフランスに入ったときと同様に、フランスからスペインに入ったときも「ESPANA」という標識があっただけで、運転手のダニエルが「スペインにようこそ」と言うまで気が付かなかったくらい。何となく耳が詰まっていたのは、ピレネー山脈のしっぽのあたりをよっこらしょと跨いだからかな。スペインに入ってからは下り坂で、平坦になったあたりは農村風景。ワインの産地でもあるので、コルク樫の農場がある。家族経営の小さなワイナリーにはねじのキャップ式のびんに詰める設備は投資が大きすぎるのかな。コルクじゃないと何となく味気ない気もするしね。

バルセロナは170万人くらいがひしめく大都会。車が渋滞する車線の間をバイクがびゅんびゅん走り抜けて行くからすごい。スペインの国旗よりもカタルーニャ州の旗の方が多いのは、カタルーニャ人の独立志向がまだ根強いのかな。ダニエルは「政治家が角を突き合わせているだけで、一般のカタルーニャ
人はスペイン語も話せるから毎日の暮らしが平和ならどうでもいいって気分なんだ」。バルセロナでの宿Hotel Neriはゴチック地区の中心にあるゴシック様式の大聖堂に近い迷路のような小路の奥にあるいわゆるブティックホテル。ルレ・エ・シャトーのメンバーで、なかなか粋な感じだけど、隣に小学校があるらしく、部屋が面した中庭は休み時間で遊んでいる子供たちの歓声が少々うるさい。でも、反対側の道路に面した部屋は向かいのアパートからのロックが聞こえるようなので、一長一短かな。



部屋の準備ができるまでの間、その辺を歩いて来ることにして、この地区ではどこからでも目印になる聖堂の前でやっている骨董品の市みたいなマーケットを見学。珍しいものや懐かしいものがあって、見ている分には楽しい。聖堂前の広場からわりと大きな道路に出たら、ずっと先で何やらデモか抗議集会をやっているらしく、にぎやかなこと。でも、私たちはおなかが空いたのでCappuccinosというスタバのヨーロッパ版みたいな店に入って、ダブルエスプレッソとサラミのバゲットサンドイッチを楽しんでいたら、デモ隊がだんだん近づいて来て、なんかすごい騒ぎ。ランチを食べ終わって、外に出たら、うわっ、ものすごい数の参加者。しんがりがどの辺りなのかわからないので、道路を渡るのに、デモ隊の中に入って一緒に「行進」しながら少しずつ反対側へ移動して、何とか渡ったけど、あはは、ほんの1、2分ながら異国で何なのかわからないデモ行進に加わっちゃった。