リタイア暮らしは風の吹くまま

働く奥さんからリタイアして、人生の新ステージで目指すは
遊びと学びがたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

旅の空から~アリヴェデルチ、ローマ

2021年10月17日 | 日々の風の吹くまま
10月15日(金曜日)。☀☀(ローマ)。いよいよ船に乗る日。天気はいいけど、ローマは肌寒い。朝食込みなので、ホテルのレストラン。部屋番号を聞かれて、トレ・クアットロ・ドゥエとやったら、ペルフェクトっと返って来た。あはは、ブオンジョルノ、ブオナセラ、グラツィエ、プレゴ、チャオと、何となくいっぱしのイタリアン気取りの気分になるけど、それ以外はもちろん英語で「お上りさん観光客」。行く先のあいさつと感謝の言葉と1から10までの数字を覚えておけば、後はとっときのスマイルで何とかなるというのがワタシ流の海外旅行術。マスクをしていても、心がこもっていれば目もスマイルするから、世界のどこでも気持は通じるもの。コンティネンタルのバフェで、オレンジジュースとたっぷりのフルーツとクロワッサンとカプチーノ。

午前9時にSilverseaのホスピタリティデスクが開くので、降りて行って船に運んでもらう荷物に付けるタグと、健康状態の質問票と乗船前のフライトやホテルの評価の用紙をもらって、部屋に戻って記入してから、またデスクに戻って担当のヴァレリアに渡して、ついでにフロントで勘定を精算。チェックアウトの10時半には出ると約束して、部屋に戻って荷造り。できたところでポーターを呼んで、スーツケースを運んでもらって、10時半ちょっと前に部屋を出てロビーへ。ホテルのWi-Fiを使って時間つぶしをして、ランチにレストランでピッツァ。バスが来たのは予定通りの午後1時半で、いざ、船が待っているチヴィタヴェッキア港へ。車上でまた追跡票の質問に答えて、ホテルで記入した質問票を乗船手続きに必要だからと返してもらって、乾いた田舎っぽい風景の中を楽しんでいるうちに、カラフルなフェリーに交じって大きなクルーズ船が並んで停泊しているのが見えて来た。

並んだクルーズ船の中で一番小さいのが私たちが乗るSilver Shadow号。船の傍の埠頭にある大きな白いテントに入って、まず体温を測られて、次に抗原検査の用紙をもらって記入して、次に指定されたブースで検査。さらにずらりと並んだ椅子の指定されたところに座って待つこと15分ほど。係の人が「陰性でした。チェックインしてください」。やったぁ。チェックインのカウンターで船室のカードキーを受け取って、いよいよ乗船。おととしの11月以来だから、1年と11か月ぶりの船旅。長かったなあ・・・。

乗船口でカードキーをスワイプして、船室番号のステッカーを貼ったパスポートを預けて、9階の船室へ。前の2回のクルーズも同じ間取りのDeluxe Veranda Suiteだったので、何だか懐かしさが込み上げて来た。ここがこれから9泊10日のマイホーム。荷物を解いてクローゼットに収めて、長い化粧台をデスク代わりにして、カレシとワタシのラップトップを並べていたら、船室担当のバトラーのデンバ(背が高くて気品のあるアフリカ人)が来たので、どうぞよろしく。ワタシがまた船に乗れてうれしいと言ったら、デンバも船に戻れてすごくうれしい、1年半故国で待機していた間は辛かった、と。そうだろうなあ。クルーズ船の乗組員のうちでホスピタリティを担当するのはインド人、アフリカ人、フィリピン人が圧倒的の多くて、3カ月か6カ月単位の契約で船に乗って、週7日勤務で得た給料を持って故国へ1、2ヵ月帰るというパターンだから、コロナでクルーズ船が全部止まっていた間は家族を養う収入が途絶えたということだもの。

午後5時半にショーラウンジで緊急時の避難などについてのドリルがあって、午後7時、船が動き出した感触が足元に伝わって来た。ベランダに出てみたら、遠くなって行くチヴィタヴェッキア港の明かり。アリヴェデルチ、ローマ!


旅の空へ(続きの最後)~ローマの空港の手際の良さでやっと人心地

2021年10月17日 | 日々の風の吹くまま
10月15日(金曜日)。午前7時前、シャトルバスがヒースロー空港ターミナル5に到着。早朝なのでそれほど混雑していなくて、ターミナルはけっこう静か。前の日に搭乗券をもらっていたので、荷物のチェックインもすいすい。搭乗ゲートの案内板には、英国航空(BA)ローマ行きBA548便のゲートは午前7時30分にお知らせとしか出ていない。もうすぐだからと案内板の下でぶらぶらしていて、オマールとナンシーとばったりと合流。しばらくしてダイアンとウォーレスも合流。えらい目に遭ったよなあ、夕食と称する食事は絶対に昼の残り物だぜ、もう2度とBAには乗るもんか、と思いがけず即席の「旅行グループ」になった6人。搭乗口はA1の表示が出て、ぞろぞろとそっちに行って、ベンチでまたひとしきり。今日は(BAにしては珍しく?)定刻発で、搭乗の案内があって一番先は私たち。

EU内は国内線みたいなもので、ビジネスクラスはエコノミーの横3席の真ん中の席にテーブルを取り付けただけ。乗ってくる人たちもいかにもローカルと言う感じ。離陸して間もなくまた追跡用の質問票が配られて、次いで朝ご飯。イギリス式朝食セットをもらったら、おお、グリルしたトマトにソーセージにスクランブルエッグ。これならBAだってまともに料理できるよなあ。ヘンにグルメを気取るから箸にも棒にもかからなくなっちゃうんだよね、もう。

ヨーロッパ上空はいい天気で、アルプスの山襞の雪の色が見事。そういえば、バンクーバーから飛び立ってしばらくの間、オーロラが見えていたっけ。(BC州の沿岸沿いにバンクーバーまで緑色のオーロラが見えたそうな。)定刻の正午、ローマのフィウミチノ空港に着陸。入国手続きはここも自動化していて、追跡票や陰性証明の提示を求められることもなく、税関も「申告品なし」のドアをすいすいと抜けて、手荷物のカルーセルまであっという間。ここでまた6人組が一緒になって、イタリアのシステムの効率の良さに感心して、ロンドンでの経験を笑い話にしながら荷物が出て来るのを待ち、2組はそれぞれ市内の目的地へ。私たちはSilverseaの出迎え探し。すぐ外には迎える客の名前や旅行会社の名前を書いた札を持った人たちがずらりと並んでいて、私たちの名前を書いた背の高いハンサムなお兄さんがすぐに見つかって、ほっ。ヴィットリオヴェネト通りのWestin Excelsiorホテルに着いて、ほっ。やっと人心地がついた気分で、長い、長ぁ~い話はおしまい。

旅の空へ(続き3)~英国航空もホテルもなんだかなぁ

2021年10月17日 | 日々の風の吹くまま
10月15日(金曜日)。英国航空(BA)が手配したのはシェラトン・スカイライン・ホテルで、わりと古ぼけたホテル。ただで泊めてやるんだから文句言うなってところなんだろうけど、まず部屋が寒い。(北米に比べると、ヨーロッパは室内に温度がおおむね低めにセットされているという感じがする。)ロビーにはクラシックな帽子付きの制服を着たキャビンアテンダントやパイロットが出入りしているところを見ると、主に航空会社の関係者が利用しているらしい。渋いワインレッドの制服はカタール航空のものだった。みんなすごい美人揃いで、何となくタイムスリップしたような感じ。

チェックインの時に、オマールがホテル券が食事込みではないことに気づいて、ここでもまた粘り強く抗議。ホテルの言い分は「宿泊券に食事付きと明記されていない」というもので、オマールの言い分は「食事込みでないなら、こんな周りに食べに行けるところがないようなホテルをアサインするべきではない」。結局はオマールの粘り勝ちで、夕食と朝食の食事券を出してもらったけど、誰も幻想は抱かないことにしているから、食べられるものならいいかなという気持。部屋に入って、トラベルエージェントのジェフに経緯を知らせて、明日の正午にローマに着くけど、Silverseaから誰か迎えに来てくれるのかとメール。スーツケースから歯ブラシやコンタクトレンズ用品、化粧品のバッグを出して、ああ、荷物を空港に置いて来ないでよかった。考えたら、オマールの存在はほんとにラッキーだったとしか言いようがない。バンクーバーのダウンタウンでかなり名の通ったレストランの副支配人をしているということで、チェックインした後でせっかくロンドンに「来た」んだからと、奥さんのナンシーと連れ立って中心街まで遊びに繰り出したというから、うらやましいくらいのエネルギー。若いっていいね。

ぶらぶらしていたらドアにノックがあって、マネジャーと言う人が食事の用意をしているので30分ほどしたらフロントに取りに来てくれと言って来た。取りに来いということはレストランでの食事はダメってことか。まあ、その方が気楽でいいかもしれないけど、食事券と引き換えにもらって来た2つの紙袋の中身は、しなびたサラダにサンドイッチ、何ともべちょっとしたスパゲティにミートソース、りんご、アップルジュースのパック。すごいご馳走じゃないのと皮肉のひとつも出て来ようと言うもの。朝食の時間が午前6時からで、6時13分のシャトルバスに乗らなければならない私たちには食事券は無意味なので、サンドイッチとりんごを冷蔵庫に入れて置いて、とにかくサラダとスパゲティで晩ご飯。ジェフが「Silverseaに連絡したから、何か言って来ると思う」と言うメール。ローマのフィウミチノ空港でまた立ち往生なんてことになったら困るもの。空港やホテルへの送り迎えはクルーズ料金の一部なんだし、そもそもBAの便を手配したのはSilverseaなんだし・・・。

と言うことで、ベッドに入ったものの目が覚めたのが午前2時。静かにしていたけど、目を覚まして寝不足のイライラで今にも切れそうなカレシとけんか腰になったりのすったもんだの挙句、午前5時に起きて、冷蔵庫に入れてあったサンドイッチを食べながら、空港へ向かう身支度。サンドイッチと言っても、中身は薄切りのトマトと薄っぺらなチーズとレタスの葉っぱ1枚だけで、へえ、シェラトンではこれでグルメなんだぁと皮肉を言いながら賞味。6時過ぎに荷物をまとめてロビーに降りて、ひとつ前のバスにタッチの差で乗り遅れたというダイアンとウォーレスに合流。オマールとナンシーは影も形もないまま、到着したシャトルバスに乗り込んで、一路ヒースロー空港へ・・・。

(続く)


旅の空へ(続き2)~ちょっとやりすぎじゃない?

2021年10月17日 | 日々の風の吹くまま
10月15日(金曜日)。ロンドンのヒースロー空港でローマ行きの便に直接乗り換える予定だったのが、英国航空のチョンボのおかげでロンドンに1泊することになって、空港の外に出なければならないので、素通りするはずだったイギリスに「入国」する手続きが必要になった。翌朝までローマ行きの便がないんだからしょうがないんだけど、前日にコロナによる入国規制が変わって、陰性証明がないと14日の隔離が免除にならない。でも、イギリスが目的地じゃないのに、14日も隔離させられてはたまったもんじゃないし、第一誰もそんなお金を使いたくないし、隔離場所の当てもないじゃないの。

証明自体は6人ともカナダを出る前にPCR検査で陰性を確認しているんだけど、バンクーバー出発の遅れと間に合わなかった乗換えの代替便の手配に時間を費やしているうちに有効期限が切れてしまって、再度検査をしないと入国手続きができないという事態が発生。つまり、何万円も払ったPCR検査が無駄になったということで、オマールは大むくれで抗議。カウンターのおっちゃんは「規則は規則」の一点張りで、「1階と3階の検査所で抗原検査をすれば1時間以内に結果が出るから、そこでやれ。ただし、費用は各自負担で、一番安いので1人35ポンド」という態度。オマールは規則に従って検査をして証明書を用意して来たんだから、費用は遅延の原因である英国航空払うべきだと主張したけど、奥さんのナンシーが「決定権のない人と議論しても埒が開かないから、さっさと検査して,ホテルに行った方が得策じゃない?」と提案して、疲れているみんなも諦めた気分で、そうしようよ。

そういうことで、英国航空に預けずにいったん引き取ることにした手荷物を受け取って、1階の検査所に行ったら、今度は「要予約」という看板に遭遇。イギリスに入国するつもりはまったくなかったんだから、当然予約なんかしているはずがない。でも、受付みたいなおばさんが「ここで今すぐすればいい。1人で家族の分も一緒にできるから」と、URLを教えてくれたので、オマールとワタシとダイアンが頭を突き合わせて、スマホで予約。受付おばさんも「そこはこう、そっちはこう。時間は適当でいいから」とコーチしてくれて、ナンシーが立ったままでスマホを操作している3人のために、みんなのパスポート番号を読み上げてくれて、かなり時間はかかったけど、何とか予約手続の急な変更に引っかかったらしい人たちの列ができていて、私たちもQRコードが送られて来たところで並んで順番待ち。受付でQRコードをスキャンして、検査票をもらって、6つくらいあるボックスのひとつへ。抗原検査はPCR検査と同じように綿棒で鼻の奥をこちょこちょやるんだけど、精度は99.9%だそうな。

待つこと10分ちょっとで検査の結果(もちろん陰性)がメールされて来たので、なぜかまだQRコードが来ていないダイアンとウォーレスが「先に行って」と言うので、じゃあ明日空港で会おうということにして、私たちとオマールとナンシーの4人は、パスポートをスキャンしてマスクを取った顔写真を撮るだけの「入国手続き」を済ませて、やっとターミナルの出口へ。ホテルへ行くシャトルバスの乗車券をもらっていたのでバス停に行ってみたら、次のバスが来るまで45分。オマールがタクシーなら2人でも4人でも料金は同じだから一緒に行こう」と誘ってくれて、ロンドンの大きなタクシーに荷物を詰め込んで、着陸してから5時間近く経ってやっとヒースロー空港を後にして、ホテルへ・・・。

(続く)