10月21日(木曜日)。☀🌤🌥(バレンシア)。夜明けの空の下、バレンシア港が近づいて来るのを見ながら朝ご飯。しずしずと入港して、接岸は午前8時。今日のツアーは出発が10時過ぎなので、朝ご飯の後でのんびりとウォーキング。デッキ9はプールを下に見下ろすジョギングトラックになっていて、12周すると1マイル、つまり1.6キロ。船尾の方には沈みかねている月(満月かな?)、船首の方は登って来る朝日。今日もいい天気になりそうで、予想最高気温は何と26度だって。
朝のうちにWifiの状態をお試し。通信衛星の位置次第と言うことだけど、だいたい7時前はわりと早く繋がるのは朝のラッシュ前の道路みたいなものかな。そこで早めに起きた朝は、それっと前の日にアップロードし損ねたものを上げて朝ご飯と言うルーティーンができて来たからおもしろい。ベランダから入る日差しが強くて、出かける頃には「暑い」。でも、今日のツアーはバスを降りて歩き回るのは少なそうと見込んで、袖なしのTシャツにスカート。行く先は保存されているバレンシアの古い地区にあるパエリャ専門のレストランで、そこでパエリャ作りを見学して、できたのをバレンシア地方のワインを飲みながら試食するというもの。
バスは驚くほどモダンな建物が並ぶ広々とした道路を走り抜けて、中世からある(スペイン式)長屋の間に石畳の道路がある「景観保存地区」みたいなところで、いかにも地中海らしい雰囲気。レストランは高い天井、ムーア人が残していったというアラビア風のタイルの壁がすてき。テーブルのひとつにパエリャに欠かせない材料が置いてあって、そのひとつはサフラン。ガイドさんがひとつまみ紙の間に挟んで、上から鉛筆をころころ。「子供の時によくテレビを見ながらこうやってサフランを粉にしたの」。そっかぁ。そうやって粉にしないと、北米ではばっかい高いサフロンの色も風味もでないってことかあ。粉にしてしまうとすぐに風味がなくなるから、1本ずつ摘み出した雌しべのままで保存しているわけか。ナットク。もう一つのテーブルにあったのはスペイン風プロシュット。どんぐりだけを食べて育てられた豚の肉で作ったそうで、そういえばだいぶ昔に日本ではやってなかったかなあ、イベリコ豚ってやつ。試食してみると、脂身までがすんなり味わいに溶け込んで、リッチだけど脂っぽくなくて、なかなかいい。
さてさて、パエリャを作り始める段階になって、ガイドさんが「バレンシアではパエリャを作るのは日曜日の男の仕事なんです」と言って、ツアーのだんな諸氏にエプロンを支給。もちろんカレシもエプロンをして、やけどをしないためのゴム手袋をして、キッチンで行列。バレンシアオレンジの木を燃やして、カレシも渡されたへらで浅いパエリャ鍋を大まじめにかき回すのに懸命。けっこう楽しそうだったけど、後で聞いたら「熱かった」。あはは。一緒のテーブルになった2組のアメリカ人夫婦と和やかな会話を楽しみながら舌鼓を打ったパエリャは極上だった。帰ってから、あの歯ごたえのあるパエリャを作ってみたいけど、たぶんお米の種類からしてアジアや北アメリカとは違うんだろうな。スペインのお米、手に入るかなあ。それにしても、いやぁ、ほんっとにおいしかったぁ。