10月3日(日曜日)。☁⛅🌤。目が覚めたらもう8時半近く。何となくぐずぐずしているうちに、カレシが「スクランブルエッグを食べたくなった」。あら、卵、あるよ。作る?「う~ん、ガスレンジの使い方、よくわからないからなあ」。あっ、そ。「トーストにスクランブルエッグを載せただけのでいいんだけどさ」。それじゃあということで、ごそごそと起き出して、身支度を済ませてキッチンへ。卵3個を溶いてフライパンでかき回している間に、カレシはルーフデッキからパセリとバジリコを摘んで来て、もいでから色づいたプチトマトをスライス。ブリオシュのトーストに卵を載せてお皿に盛ったら、あぁら、けっこうおしゃれっぽい朝ご飯になったじゃないの。こういう「2人の朝」もたまにはいいもんだね。

おとといの「おうち会食」のテーブルではいろんな話題が飛び交って賑やかだったけど、その中にテレワークの功罪も入っていた。コロナの前は、ピーターはまあ普通の勤務時間で、ダグは旅客便の発着時間に合わせて午後からの勤務というすれ違いカップルだったけど、劇場が閉鎖されてからピーターは完全なテレワーク、旅客便が飛ばなくなったダグも一時帰休になって終日在宅。日本のサラリーマン家庭では何かと軋轢が起きているらしいんだけどと話を振ったら、2人は口をそろえて「一緒にいる時間が増えるからいいと思うけどなあ」。でも、ダグ曰く、「オージー訛りのでかい声で会議をやるからうるさいんだよ」。ピーター曰く、「仕事に集中していると何かとうろうろするんだよ、こいつ」。それで、去年の秋に手狭な1LDKのマンションを売って、とりあえず2LDKの賃貸アパートに引っ越したんだそうで、ダグが仕事に戻ったら、改めて広めの2LDKのマンションを買うつもりでいるとか。
いくら仲のいいカップルでも、大人2人が狭い空間で1日中顔を突き合わせていると、どうしてもストレスになるってことだね。それでも一緒の時間が増えたとポジティブでいられるのは、愛で結ばれた2人の絆の強さだろうな。「We are in this together」というフレーズそのもの。連帯感を示す場面でよく使われる表現で、大勢の中でならグループとしての結束を促す掛け声になり、2人の間でなら「二人三脚でがんばって乗り切ろう」という意味になり、それがカップルならさらに2人の絆の強さを確認し合うような意味合いを持って来て、そこからどんどん突き詰めて行けば、しまいには「結婚とは何なのか」という根本的な問いかけに行き着くようで、よく使われる慣用句でありながら、なかなか奥が深い。そこではたと思い出したのが、小町横丁の『僕の在宅勤務は迷惑ですか』というトピック。ずらっと並んだ「受入れ側」(主に妻)の眉を吊り上げて迷惑だと息巻いているような反応にちょっと気を呑まれた気分で、この人たちにとって結婚て何なんだろうと考えていたんだけど、それはたぶんこの人たちの書き込みに、この「we are in this together」という夫婦の連帯感が感じられなかったからだろうと思う。
まあ、婚活に関するトピックでもそうなんだけど、昨今の「結婚」とは、どうも「結婚」というものがしたくて、がんばって婚活して、イメージした「結婚」ができそうな相手を見つけて、イメージした「結婚生活」を実現するものになっている感がある。つまり、それぞれの「結婚している」意識がどこかでずれていて、そこへコロナで突然テレワークという労働形態が降ってわいてきたもので、夫婦の絆の形、あるいはその欠如にスポットが当たったということかもしれないな。うん、それにしても、現代の結婚って、いったい何なんだろうね。