いよいよ今回は天然記念物・アサヒナキマダラセセリ(セセリチョウ科)を紹介します。この蝶は今から約150万年以上前、琉球列島がまだ大陸と繫がっていた時代(氷河期)に今の中国大陸から移動して来ました。一番有力なのは約200~150万年前で、琉球列島に限らず日本列島の生物(今は絶滅したナウマンゾウ、マンモスなど)もこの時代に来たと言われています。つまり大体がこの時代に沖縄を含め日本にやって来たって訳です。これだけだったら「別に凄くないじゃん!、みんなと一緒じゃん!」と思うでしょう。じゃぁこの蝶の何が凄いかと言うと、その「渡って来た頃と殆ど同じままの姿をしている」、と言うのが凄いんです。シーラカンスとかと同じ、いわゆる生きた化石って奴ですね。
また、この蝶の仲間は今でもヒマラヤなど中国大陸の寒い山岳地帯なんかにいるんですが、その寒い場所が好きな蝶が石垣島・西表島と言うこの亜熱帯に残っている、と言うのも凄い話でしょ? そこは生き残れるように長い年月を掛け進化したんですね。
これは今回参加してくれた虫好き、と言うより昆虫研究少年・ショウちゃんが見つけたアサヒナキマダラセセリのサナギが入っている繭です。ピンボケですみません。リュウキュウチクの葉を3枚ほど使って糸で繋ぎ、その中でサナギになっています。開ける訳にはいかないので、どんな感じか知りたい方は他のセセリチョウの仲間で検索して見て下さい、似たようなもんです。
これでオイラはアサヒナの成虫、サナギ、卵(去年)を見た訳ですが、幼虫をまだ見てませんので、今後ちょくちょく登って観察するしかありませんね。
去年の卵の画像↓
https://blog.goo.ne.jp/lift-up001/e/0180cc91dfa536e6976b63bd4777a5ca
たまたまいたサキシマヒラタクワガタ(クワガタムシ科)です。なぜかクモの巣だらけ、どこを散歩してきたんでしょう?(笑)
★於茂登岳とその周辺は全域「保護地区」に指定されているので、全ての動植物の捕獲・採取が出来ません。もちろん殺しても、虐めてもダメです。とって良いのは写真だけ! 詳しくは石垣市環境課か、文化財課まで。