郷愁に誘われた日

　　　こちらは、今日も冬日和。快晴の空となりました。な～んにもない空。
　　いいえ、刷毛で描いたような白い線のような雲が２、３本・・。
　　たいそう優しい空になっています。

　　　今日も暖かく、（再三言っていますように） 日溜まりは、すっかり春。
　　人間でも錯覚を起こしてしまいそうな、この所の気候。
　　動物や植物達の生態系が、今更ながら心配になってしまいます。

　　　ところで、一昨日の “もや” の事。
　　“霞（かすみ）” なんて記してしまいましたが、霞は春でしたね。

　　　それはそうと・・。
　　又しても、『アンの世界』 の中に素敵なフレーズを見つけました。

　　　“―― 紅と金色で照り映えた、10月の朝だった。
　　谷には薄もやが立ち込めて、それは、あたかも太陽に ――
　　紫水晶や真珠や銀や薔薇や、
　　くすんだ青色やを、すくい上げさせようとして、
　　秋の精が張り渡した網かとも思われた。”
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【「赤毛のアン」　第24章】

　　　それにしても・・『アンの世界』 では、10月の描写。
　　こちらは、2か月も季節が遅れているのですね。
　　“秋の精が張り渡した網” なんて、何て素敵な表現なのでしょう。

　　　さて、こちらのビーズのバッグ。
　　又々、叔母からのお下がりです。

　　　叔母の所は、男の子ばかりですので、
　　ついつい私が、その有り難い恩恵に
　　与（あずか）らせて貰っています。

　　　それに、好みも良く似ていますから。
　　上の（紫色に見えますが） くすんだピンクの
　　方は、小さめですが、下のブルーグレーの
　　方は、見かけより、たっぷり入ります。

　　　この手の物としては、貴重ですね。
　　「今日は、どのバッグにしようかな・・？」
　　
　　　～なんて、外出が楽しみになる事、
　　請け合いですから。

　　　小さなバッグは、ちょっとした散歩に。
　　鍵と財布が入れば、OK。コンデジも、ぎりぎり入りますので、重宝しそうです。

　　　「ピンポ～ン」と、鳴りましたので
　　何事かと思って出てみましたら・・。

　　　叔母からでした。
　　私のお土産の忘れ物でした。

　　　たった一つの忘れ物のために、
　　その隙間に蜜柑と長芋を
　　詰めてくれて。
　　まるで母親のようです。

　　　何だか有り難くて。
　　思わず郷愁に誘われた日・・？　
　　でもありました。