だって見たいんだもん!

映画と共に生きてきた私。大好きな映画と芝居と絵画をメモします。

疑惑の真相

2009-02-13 21:45:17 | 映画
トム・ハンクスとメグ・ライアン共演の未公開作「ジョー、満月の島へ行く」(90未)は、脚本を担当したジョン・パトリック・シャンリィの初監督作品でした。そう言えば、レンタルで見ましたっけ。彼はもともと劇作家。

映画の脚本には、「月の輝く夜に」(87)「乙女座殺人事件」(89)「生きてこそ」(93)「コンゴ」(95)などの他、アニメ「恐竜大行進」(94)があります。うむ。そのシャンリィが2005年のトニー賞とピュリッツァー賞をダブル受賞した戯曲『ダウト 疑いをめぐる寓話』を、自ら映画化。

それが、「ダウト ~あるカトリック学校で~」(08)です。“ダウト”とは疑惑のこと。1964年NYブロンクスにある、カトリック系教会学校。校長は、厳格なシスター・アロイシアス(メリル・ストリープ)。しかし、時代は63年のケネディ大統領暗殺、黒人の公民権運動の高まりなど大きく変わろうとしていたのです。

教会にも変革の波が押し寄せようとしている最中、シスター・アロイシアスは新人教師のシスター・ジェイムズ(エイミー・アダムス)から、ある報告を受けます。進歩的で生徒からの信頼も厚いフリン神父(フィリップ・シーモア・ホフマン)と、学校でただ1人の黒人生徒と関係に不信を抱き、相談したのです。

シスター・アロイシアスは、神父と男子生徒ドナルド・ミラーとの間に“不適切な関係”にあるのではと疑いを持ちます。校長室でフリン神父は、きっぱりと否定します。その証明に納得するシスター・ジェイムズ。反対にますます神父への疑惑を深めて行く、シスター・アロイシアス。

さすがに舞台劇だけあって、見どころは校長と神父の言葉の応酬。ストリープとホフマンは、共にアカデミー賞俳優。今年のアカデミーにも、主演女優賞(ストリープ)、助演男優賞(ホフマン)、助演女優賞(アダムス、ヴィオラ・デイヴィス:ミラー夫人)、脚色賞(シャンリィ)にノミネート。

「マンマ・ミーア」(08)で、ミュージカル女優としても素晴らしい歌と踊りを披露した、メリル・ストリープ。彼女にできないことはもうないです。ドナのような明るさも華やかさも一切ない、このドラマこそ本領発揮!怖いくらい…。

撮影は「レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで」(08)のロジャー・ディーキンス。衣装デザインは、アン・ロス。音楽は、ハワード・ショア。待ちきれません!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする