たにしのアブク 風綴り

86歳・たにしの爺。独り徘徊と追慕の日々は永い。

今日は立秋 秋に草冠の萩・ハギに吹く想い風

2006-08-08 06:50:20 | Lyricism

梅雨明けから旬日、早くも暦では立秋です。
炎天・猛暑の高原にハギの花が揺れてます。

一家(ひとつや)に遊女もねたり萩と月<芭蕉>

「奥の細道」で芭蕉が庄内から越後に入り、市振(今の糸魚川)で一宿したとき、ふすま越しに聞こえた遊女らしき連れのヒソヒソ声……(「えんぴつで奥の細道」176・180頁)
えんぴつで綴る「奥の細道」に吹く蕉風
葉に混じって、細かい花が、細い枝に点々と綴って咲いている様は、秋の風情として、古来から想いを託して詠まれている。
縦横に咲き乱れている「乱れ萩」、落花の「こぼれ萩」、清楚な「白萩」、野の「山萩」など。

風綴り⑰ <萩に想いを>
・ぬれて行く人もおかしや雨の萩<芭蕉>
・萩の露米つく宿の隣かな<芭蕉>
・しら露もこぼさぬ萩のうねりかな<芭蕉>
・風色やしろどに植る庭の萩<芭蕉>
・さをしかの喰こぼしけり萩の花<一茶>
・しら萩は咲くよりこぼすけしきかな<蕪村>
・萩の風何か急かるゝ何ならむ<水原秋櫻子>
・雨の庭萩起し行く女かな<尾崎紅葉>
・旅に出て人妻小萩も跳びて超ゆ<平井さちこ子>
・さむざむと独りの道よすがれ萩<渡辺圭子>
万葉集には141首が収められている。そのなかから……
*わが背子が插頭の萩に置く露をさやかに見よと月は照るらし(巻10-2225)
*雁がねの初声聞きて咲きでたる屋前の秋萩 見に来わが背子(巻10-2276)
*萩の花咲けるを見れば君に逢わずまことも久になりにけるかも(巻10-2280)
揺れ萩にピント合わす連写音
タニシがアブ句を噴いた。