たにしのアブク 風綴り

87歳になります。独り徘徊と追慕の日々は永く切ない。

「あの日の声を探して」を観て――無関心は共犯者に

2015-06-06 13:31:05 | 劇場映画

ドイツで主要7カ国首脳会議(G7サミット)が始まりました。
ロシアによるウクライナ東部侵攻情勢などが主要なテーマです。
対ロシア経済制裁の継続で足並みが揃うかが注目されています。
世界の大国・ロシアは出席していません。



もう一つの大国・中国が南シナ海に軍事施設を作っています。
公海上の岩礁を埋め立て「防衛上のニーズ」だと開き直っています。
大国のやることに無関心で居ると何がおきるか――
フランス映画「あの日の声を探して」を観て来ました。



公式サイト

1995年の春、ロシアの侵攻を受けて廃虚となったチェチェン共和国。
4年後1999年に再びロシアがテロ対策を名目にチェチェンに攻め込んだ。



映画は、そのとき、チェチェンで起きた罪もない家族の生と死と、
戦争に狩り出され無垢だったロシア青年が殺人マシンになるまで、
殺す方も、殺される方も戦争被害者に変わりなことを知らせる。



両親が目の前で殺された少年ハジ(アブドゥル・カリム・マムツィエフ、2004年、チェチェン生まれ)は声を失ってしまう。
その姉ライッサ(ズクラ・ドゥイシュビリ、1995年、チェチェン生まれ)は弟と自分の息子が行方不明になってしまう。





EUから調査派遣されたキャロル(ベレニス・べジョ、1976年、アルゼンチン生まれ)はハジと出会う。





そして、自分でも、何の罪なのかよく分からないまま、
強制入隊させられロシア青年コーリャ(マキシム・エメリャノフ、1990年ロシア生まれ)が、
狂気の殺人マシンに変貌させらていく。

脚本・監督は「アーティスト」で絶賛され数多くの賞に輝いたミシェル・アザナヴィシウス(1967年、フランス生まれ)。
映画はハジとキャロル、ライッサ、コーリャの3通のストーリーが重層して展開する。



来日したアザナビシウス氏は、
ある対談で「戦争の最も強大な共犯者は無関心ではないか」と語ったという。

チェチェン共和国

戦争の最大抑止力は「戦争を許さない世界世論」です。
大国による国際法蹂躙を許さない「世界」こそ抑止力です。
安倍さん、「世論」が味方になっていますか――・