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昆明で出会った中国茶2 

2007-03-09 11:31:54 | Weblog
雲南の茶屋や外資系デパートでは量り売りの他、様々なパッケージの「蘭貴人」が見られた。みやげを意識したパッケージのようだ。製品加工地は、いずれも昆明市内となっていた。

【蘭貴人・甘い香りの正体は?】
 このように日本料理にあうと昆明では評判の蘭貴人だが、製法となると、謎だらけ。現地で本を読みあさったが、雲南省産のプーアール茶の説明はあっても、昆明で大量に製品化されている「蘭貴人」の説明はどこにもない。

 そこでインターネットで検索してみると、今度は福建や広東、台湾などさまざまな地域で生産された「蘭貴人」茶が山ほど見つかった。茶葉の特徴もさまざまで棒状のものから、香りづけに朝鮮人参や田七(でんしち)といった高級漢方薬のパウダーをまぶしたものまである。

 日本語で書かれたインターネット通販サイトを読むと、多くは朝鮮人参をまぶした台湾製を「ほんもの」とし、雲南製は質が悪い、と断じている。「質」が何をさすのかは書かれていない。

 しかし、なぜこれほどまでに大雑把なのだろうか。

 一説によると「蘭貴人」とは、西太后が病に伏せたときに飲んだ漢方薬のレシピが民間に流出し、お茶として出回ったものだという。想像するに、元となる秘伝のレシピはアヘン戦争(1840年)のどさくさで絶えてしまった。そこで、どうせ本物がわからないなら茶葉に漢方薬をまぶせば「蘭貴人」と呼べると、様々な形状が各地で育っていったのではないだろうか。

【それでも増える女性ファン】  
 八王子で50種の中国茶を扱う「晶山茶葉店」に蘭貴人があると聞いて訪ねた。ここで扱っているのは、ウ-ロン茶葉に蘭のパウダーをまぶしたタイプ。

「製法がいま一つ不明である点と製品のばらつきが激しいため、おすすめはしていません。ただ一度、飲むとファンになる女性のお客さまは相変わらずいらっしゃいますので置いております」と店主の大塚晶子さんが率直に話してくれた。香りや味からすると、私が飲んでいたお茶と同じもののようだ。

 茶葉の原産地も、その内容も厚いベールに包まれた蘭貴人だが、じつは私が選んだ雲南みやげの中でもっとも人気があったのがこのお茶だった。日本の和菓子にも合うので、見かけた場合は一度、試してみてはいかが。
コメント (2)
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