雲南、見たり聞いたり感じたり

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雲南の特色料理・小鍋米線①

2009-02-06 23:25:37 | Weblog
写真は、昆明が90年代後半以降、壊滅的に昔ながらの建物を破壊し尽くすなかで、かろうじて残る文林街の風景。雲南大学の裏通りだけあって、古書店などが軒を連ねる。しかし、この建物のま横まではすでに取り壊し済み。この建物も時間の問題かと思われる。破壊状況の土俵際の建物なのである。(2005年撮影。その後、新しい通りにすると政府発表済みだが、状況は変わっていない模様。)

体の調子の悪い時でも、不思議と体が温まる
【小鍋米線】

 店屋で食べる米線はゆでる時に、大鍋でいっぺんに茹で、並べた碗に1人分ずつ分けていくのが一般的ですが、この米線は特製の小銅鍋で1碗ずつ作られるのが特徴です。米線の通にはたまらない一手間ですが、それゆえ多くは見られません。直径18センチ、深さ10センチほどの銅または土鍋から斜め上に長めの木の把手が突き出した鍋で作り、客の前に供されます。

 昆明で最初に開かれた専業店は市の中心・翠湖の北西にあたる今なお、貴重な古いたたずまいをかろうじて残す文林街の一角にあった、昆明飲食公司が経営する「端仕小鍋」店。1920年代にテン池の南に位置する玉渓市出身の(目2つ+下に隹)永明が発明したといわれています。当初は米線ではなく、雲南特産の餌  (ア-クアイ)という粳米ともち米を配合して蒸したあとに撞いて平たくしたものを入れて、売っていたとか。

 作り方や材料は店ごとに違います。わが家が好んだ小鍋米線の店は、白馬小区の溢香園小喫。白馬の像の立つロータリー脇にある小さく飾り気もない、ごくごく普通の米線店です。

 じつは年中、地元の客でごったがえす隠れた名店なのですが(覆面地元新聞記者も絶賛!)、どんなに混んでいても料理を作る人はただ一人。ずば抜けてしっかりした、40代ぐらいの痩せた女性店主だけなのです。2.5元の小鍋米線だけは誰にも譲れないと気迫十分で、お金の受け取りも、人に任せることなく店主が一人で行っていました。
 他の4,5人ばかりいる店員(全員女性)は、あまり忙しくない日中は日だまりのなか、大きなたらいに野菜を入れて、きれいに香菜をそろえて細かく切ったり、ニラを一本一本よりわけたり、はたまた醤油や酢を5リットルは入ろうかという大きな容れ物から1リットル程度しか入らないペットボトル容器へと、漏斗を使って移し替えるといった、地味な下ごしらえを黙々と、でも明るくこなしています。あとは注文とりと後片付け、をするのです。 (つづく)
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