写真は地どりの売り場。(宜良市場にて。2010年撮影。)みな、「放牧」(と地元の人はいう。)されて育っただけあって、目つきが鋭い。
右端が放し飼いで育った地元の鶏。左が雲南産のアヒル「滇麻鴨」。オスは首から上が深緑に光り(秋以降に変色することが多い)、雌は茶のまだら模様をしている。日本で見かけるマガモと色目は同じ。ブロイヤー育ちの2倍の値段となっている。
薄緑色をした卵も雲南の人にはなじみ深い食品だが、その親が滇麻鴨である。ちなみに同じ市場には大きなウサギや烏骨鶏、鳩、なんと猫までが売り物として生きたまま展示されていた。もちろんペットショップではなく、食材(のはず。)
現在は宜良の湯池での放し飼いが禁止されたため、クリークの多い滇池北岸の晋寧県(鄭和の故郷の近く。鄭和がかつて建立した父のことを語った碑文が残されている。)に主産地の座を奪われている。
スマップでとぎれてしまった北京ダックとの違いの続きです。
【劉文の改革③】
⑤アヒルの品質により一層、こだわった。
具体的には、地元の伝統的なアヒルの滇麻鴨を使い、自然の理に逆らわず、春に孵化させ、水田に放って成長させ、秋に締めた。
アヒルは家ごとによくしつけられていて「イーライ、イーライ」との呼び声で、その家のアヒルがすぐに集まるように訓練されていたという。締める1週間前には日陰にある大きな貯水池に放して、強烈な日差しを避ける。これは皮の色に光沢を出して、きめ細やかにし、アヒルの心の安定を図るために必要な作業だったのだそう。
そして締める時には、体の血を一滴も残さず、出すように心がけた。アヒルにストレスがあると、俗にいう漢方の世界での血がドロドロになる現象(於血)が起きるが、ストレスなく育てると、血が残らず外に出るのだとか。(なんとなくわかります。)
こうすれば見た目にも悪い血がかたまってできる、へんな斑点もできない。
また締めたアヒルは衛生的に処理することを心がけ、ハエにたからせる隙を与えなかったという。
この5つの劉文の改革で作り上げられた、宜良ダックは当然ながら、評判となりました。北京からきたお客人の接待にも最適。なんたって、本場とは違った方向に進化し、自然の旨さを心がけた独自の旨さを追求し、成功しているのですから。
当時の水田には化学肥料や農薬はないので、天然の小魚や小エビ、貝類など、食べるものも豊富にあります。いまでは、手の届かないほど高級な有機食品だったというわけです。
無農薬、有機栽培の天然の水田。空気。私も時空を超えて食べに行きたくなります。
【お知らせ】
また工学院大学孔子学院で、雲南のお話をさせていただくことになりました。受講料が高いのですが、ブログをごらんになっていらした方には、最後の回の食事代を補助させていただきたいと思います。前回はブログを見ていらした方、本当にありがとうございます。どうも人の集まらない講座のようです。転送可ですので、いろいろな方にお知らせいただければ幸いです。
今回は飲食関係者の方の参加があるようなので、作り方などを丁寧に伝えられればと考えています。
タイトル『雲南の食を訪ねて』
10月11日 第1回「20世紀初頭の雲南」(小松碧さん)
10月25日 第2回「チーズのような豆腐」(私)
11月 8日 第3回「北京の人々を唸られた雲南ダック」(私)
11月22日 第4回「雲南のチーズ」(小松碧さん)
12月6日 第5回「雲南料理を味わう」(費用実費。)
※第1回から第4回まで参加費一般2000円、学生500円(どんな学生でもいいそうです。)
1回ごとに受付。
場所:新宿駅西口から徒歩4分、エステック情報ビル地下一階。(新宿区西新宿1-24-2)
申し込み 電話03-3340-1457
もしくはURL http://www.kogakuin,ac.jp/cikへ。
右端が放し飼いで育った地元の鶏。左が雲南産のアヒル「滇麻鴨」。オスは首から上が深緑に光り(秋以降に変色することが多い)、雌は茶のまだら模様をしている。日本で見かけるマガモと色目は同じ。ブロイヤー育ちの2倍の値段となっている。
薄緑色をした卵も雲南の人にはなじみ深い食品だが、その親が滇麻鴨である。ちなみに同じ市場には大きなウサギや烏骨鶏、鳩、なんと猫までが売り物として生きたまま展示されていた。もちろんペットショップではなく、食材(のはず。)
現在は宜良の湯池での放し飼いが禁止されたため、クリークの多い滇池北岸の晋寧県(鄭和の故郷の近く。鄭和がかつて建立した父のことを語った碑文が残されている。)に主産地の座を奪われている。
スマップでとぎれてしまった北京ダックとの違いの続きです。
【劉文の改革③】
⑤アヒルの品質により一層、こだわった。
具体的には、地元の伝統的なアヒルの滇麻鴨を使い、自然の理に逆らわず、春に孵化させ、水田に放って成長させ、秋に締めた。
アヒルは家ごとによくしつけられていて「イーライ、イーライ」との呼び声で、その家のアヒルがすぐに集まるように訓練されていたという。締める1週間前には日陰にある大きな貯水池に放して、強烈な日差しを避ける。これは皮の色に光沢を出して、きめ細やかにし、アヒルの心の安定を図るために必要な作業だったのだそう。
そして締める時には、体の血を一滴も残さず、出すように心がけた。アヒルにストレスがあると、俗にいう漢方の世界での血がドロドロになる現象(於血)が起きるが、ストレスなく育てると、血が残らず外に出るのだとか。(なんとなくわかります。)
こうすれば見た目にも悪い血がかたまってできる、へんな斑点もできない。
また締めたアヒルは衛生的に処理することを心がけ、ハエにたからせる隙を与えなかったという。
この5つの劉文の改革で作り上げられた、宜良ダックは当然ながら、評判となりました。北京からきたお客人の接待にも最適。なんたって、本場とは違った方向に進化し、自然の旨さを心がけた独自の旨さを追求し、成功しているのですから。
当時の水田には化学肥料や農薬はないので、天然の小魚や小エビ、貝類など、食べるものも豊富にあります。いまでは、手の届かないほど高級な有機食品だったというわけです。
無農薬、有機栽培の天然の水田。空気。私も時空を超えて食べに行きたくなります。
【お知らせ】
また工学院大学孔子学院で、雲南のお話をさせていただくことになりました。受講料が高いのですが、ブログをごらんになっていらした方には、最後の回の食事代を補助させていただきたいと思います。前回はブログを見ていらした方、本当にありがとうございます。どうも人の集まらない講座のようです。転送可ですので、いろいろな方にお知らせいただければ幸いです。
今回は飲食関係者の方の参加があるようなので、作り方などを丁寧に伝えられればと考えています。
タイトル『雲南の食を訪ねて』
10月11日 第1回「20世紀初頭の雲南」(小松碧さん)
10月25日 第2回「チーズのような豆腐」(私)
11月 8日 第3回「北京の人々を唸られた雲南ダック」(私)
11月22日 第4回「雲南のチーズ」(小松碧さん)
12月6日 第5回「雲南料理を味わう」(費用実費。)
※第1回から第4回まで参加費一般2000円、学生500円(どんな学生でもいいそうです。)
1回ごとに受付。
場所:新宿駅西口から徒歩4分、エステック情報ビル地下一階。(新宿区西新宿1-24-2)
申し込み 電話03-3340-1457
もしくはURL http://www.kogakuin,ac.jp/cikへ。