雲南、見たり聞いたり感じたり

雲南が中心だった記事から、世界放浪へと拡大中

宜良ダックをさがして⑬

2011-10-09 10:57:31 | Weblog
【おしらせ】
前回と同じお知らせなのでお読みの方は、読み飛ばして本編へどうぞ。

また工学院大学孔子学院で、雲南のお話をさせていただくことになりました。受講料が高いのですが、ブログをごらんになっていらした方には、最後の回の食事代を補助させていただきたいと思います。転送可ですので、いろいろな方にお知らせいただければ幸いです。
 今回は、作り方などを丁寧に伝えられればと考えています。

タイトル『雲南の食を訪ねて』
10月11日 第1回「20世紀初頭の雲南」(小松碧さん)
10月25日 第2回「チーズのような豆腐」(私)
11月 8日 第3回「北京の人々を唸られた雲南ダック」(私)
11月22日 第4回「雲南のチーズ」(小松碧さん)
12月6日 第5回「雲南料理を味わう」(費用実費。)

※第1回から第4回まで参加費一般2000円、学生500円(どんな学生でもいいそうです。)
1回ごとに受付。
場所:新宿駅西口から徒歩4分、エステック情報ビル地下一階。(新宿区西新宿1-24-2)
申し込み 電話03-3340-1457
     もしくはURL http://www.kogakuin,ac.jp/cikへ。
  
写真は宜良の市場近くに作られた新市街のロータリー。夏場でも水をまいて、イギリス庭園のような緑を保全していた。

【無公害アヒルの養殖場へ】
 さて、もう読者の方はお忘れかと思いますが、宜良にきた目的は、湯池(=陽宗海)で放養されているというアヒルを見ることでした。
 ところが例によってタクシー運転手は軒並み、街はずれには行ってくれません。
「湯池へ。」と声をかけても、「行かない。」で終わり。たった10キロの距離なのに。困っていると、やり手そうな20代後半の青年タクシー運転手がやってきて
 「なんで湯池に行きたいの?」
と声をかけてくれました。アヒルの養殖場を見たい、と話すと、
 「今、湯池ではアヒルの養殖が禁止されていて、誰もやっていないよ。」と教えてくれました。

 以前、お話したように私が昆明に住んでいた2004年には陽宗海でのアヒルの飼育による環境汚染が問題となっていました。同年10月の昆明日報によると、湖には数万匹のアヒルが放し飼いされ、陽宗村だけでも7戸4000羽。他の村も合わせると途方もない数のアヒルがいる。この糞便や羽毛、飼料の垂れ流しが陽宗海の汚染の原因ではないか、と分析しています。

 かつては「高原の真珠」とまで讃えられた陽宗海がデン池などの周辺の湖と同様、臭気を発するおぞましい湖へと変貌してきたことへの危機感が報道側には、あったのです。

 農薬と化学肥料が撒かれた田んぼにアヒルが入れなくなったと同時期、宜良のアヒルは儲かると気づいた農民が、残る陽宗海に集中的に放し飼いを始めたことが原因でした。とくに二〇〇〇年以降に急速に増加し、政府が問題視していました。

 そこで2005年に一時的にアヒルの放し飼いを禁止。
 すぐに変化があらわれ
「水質が大幅に改善。しかもたいして環境のためのお金を使わずに!」
 と昆明市環境局が高らかに勝利宣言を出しました。この方法はデン池の浄化の参考になるだろう、と手放しの喜びようです。

 こうした背景があったので2010年夏、タクシー運転手の言葉から、今やその汚染対策が常態化して、アヒルは完全に閉め出されたのだな、とすばやく推察しました。
 ところが、じつは事態はより深刻化していたのです。            (つづく)

※来週の更新はお休みいたします。翌々週の更新となります。
コメント
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