シーサンパンナ・景洪で見かけた結婚式で花嫁花婿が乗る車。ハートの形にでコーレートした花を、高級車につけるのは中国の結婚式ではよく見かける。
高級車にデコレートするようになったのは90年代以降だが、その前はトラクター、それ以前は自転車を花でデコレートする時代もあったらしい。
もともと、紀元前の漢の時代より、花嫁を赤い花などで装飾したいすに座るタイプの一人用の輿(花轎)に花嫁を乗せて、花婿の家に向かう習俗が中国にあった。(中国のインターネット百科事典「百度百科」より)
現在、車中央に花でハートをあしらったものを「韓(国)式婚車」、LOVEという文字を花であしらったものを「LOVE婚車」などと名称がつけられているhttp://www.1688.com/jiage/-BAABCABDBBE9B3B5D7B0CACECCD7D7B0.html。花車は日本では見かけたことがないが、結婚式の飾り付けには、伝統が生きづいているのだろう。
【野象谷の変貌】
野象谷は370ヘクタールに象の群れが暮らす保護区域で1990年に野生の象と熱帯雨林の公園として指定されました。
本来なら象の聖域となるところに1996年から65元の入場料を払って入場する施設がオープン。野生の象を小屋に入って静かに観察する施設ならタイにありますが、ここは違いました。
樹上ウオーキング、樹上旅館、蝶の繁殖園、百鳥園などの他、野生の牛、孔雀、猿が放し飼いされ、さらに中国唯一の象使いの育成学校も設置されたのです。
こうして現在では観光客が自家用車や観光バス、タクシーで押しかけ、熱帯風情を楽しむテーマパークに様変わり。象使いによる象の曲芸や象と観光客がからむ芸などが繰り広げられる世界となりました。
ことの始まりは1994年にシーサンパンナの森林局が資金繰りに困り、保護区の開発権を売りに出したことでした。
そこに雲南全体に雲南風情のテーマパークを乱発している浙江省の金洲有限公司(雲南では金孔雀旅遊集団公司の名で知られています)が手を上げ、4300万元(約7億円。当時の中国では実際にはその何倍もの金銭的価値があった)で買い取り、多額の投資をして、テーマパークに作り上げたのでした。
こうして2005年に前を通過した際は、野象谷と書かれたアーチのくすんだ看板のすぐ向こうでハイヒールに肩の出たワンピース姿の女性らが、樹上ウオーキングの橋をおっかなびっくり歩いていました。
今では、より立派な施設になって日本人観光客も多数訪れる施設となっています。今もその繁栄は続いている、というわけです。
このような事態では、野生象がいやがらないわけがありません。
結果、人と象の死亡も含めた傷害事件が多発しているのですが、これらの原因をシーサンパンナ州政府は
「近年、保護政策により野生アジア象の数量が増加したため」(シーサンパンナ州政府新聞、2015年10月24日)と分析しているのです。ですが、数字の増加がわかる調査結果はなにもなく、その数量も中国全体で250頭から300頭と書かれているのみです。
もはや象が観光客の車に衝突したのは、彼女にふられた腹いせではなく、州政府が金儲け優先で象の保護に無頓着なためだということがはっきりとわかるでしょう。 (つづく)
高級車にデコレートするようになったのは90年代以降だが、その前はトラクター、それ以前は自転車を花でデコレートする時代もあったらしい。
もともと、紀元前の漢の時代より、花嫁を赤い花などで装飾したいすに座るタイプの一人用の輿(花轎)に花嫁を乗せて、花婿の家に向かう習俗が中国にあった。(中国のインターネット百科事典「百度百科」より)
現在、車中央に花でハートをあしらったものを「韓(国)式婚車」、LOVEという文字を花であしらったものを「LOVE婚車」などと名称がつけられているhttp://www.1688.com/jiage/-BAABCABDBBE9B3B5D7B0CACECCD7D7B0.html。花車は日本では見かけたことがないが、結婚式の飾り付けには、伝統が生きづいているのだろう。
【野象谷の変貌】
野象谷は370ヘクタールに象の群れが暮らす保護区域で1990年に野生の象と熱帯雨林の公園として指定されました。
本来なら象の聖域となるところに1996年から65元の入場料を払って入場する施設がオープン。野生の象を小屋に入って静かに観察する施設ならタイにありますが、ここは違いました。
樹上ウオーキング、樹上旅館、蝶の繁殖園、百鳥園などの他、野生の牛、孔雀、猿が放し飼いされ、さらに中国唯一の象使いの育成学校も設置されたのです。
こうして現在では観光客が自家用車や観光バス、タクシーで押しかけ、熱帯風情を楽しむテーマパークに様変わり。象使いによる象の曲芸や象と観光客がからむ芸などが繰り広げられる世界となりました。
ことの始まりは1994年にシーサンパンナの森林局が資金繰りに困り、保護区の開発権を売りに出したことでした。
そこに雲南全体に雲南風情のテーマパークを乱発している浙江省の金洲有限公司(雲南では金孔雀旅遊集団公司の名で知られています)が手を上げ、4300万元(約7億円。当時の中国では実際にはその何倍もの金銭的価値があった)で買い取り、多額の投資をして、テーマパークに作り上げたのでした。
こうして2005年に前を通過した際は、野象谷と書かれたアーチのくすんだ看板のすぐ向こうでハイヒールに肩の出たワンピース姿の女性らが、樹上ウオーキングの橋をおっかなびっくり歩いていました。
今では、より立派な施設になって日本人観光客も多数訪れる施設となっています。今もその繁栄は続いている、というわけです。
このような事態では、野生象がいやがらないわけがありません。
結果、人と象の死亡も含めた傷害事件が多発しているのですが、これらの原因をシーサンパンナ州政府は
「近年、保護政策により野生アジア象の数量が増加したため」(シーサンパンナ州政府新聞、2015年10月24日)と分析しているのです。ですが、数字の増加がわかる調査結果はなにもなく、その数量も中国全体で250頭から300頭と書かれているのみです。
もはや象が観光客の車に衝突したのは、彼女にふられた腹いせではなく、州政府が金儲け優先で象の保護に無頓着なためだということがはっきりとわかるでしょう。 (つづく)