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気になる南米の野菜⑦ トウガラシ編

2018-05-18 10:38:49 | Weblog
写真は刺繍入りの清潔な布に巻かれ、蓋付きの籠に丁寧に入れられて、水分と熱を保とうと工夫されたトルティーヤ。


トルティーヤを包む刺繍の正面より。


黄色、白、赤、紫色・・。様々な色のトウモロコシの粉を使ったトルティーヤ。香ばしい。


模様のついたトルティーヤ。


トルティーヤに模様を付ける型板。


石板でトルティーヤを焼くおばさん。この店ではトルティーヤはすべて、この女性が焼く。アツアツ、できたてをいただくことができる。

【タコス、はメキシコ料理?】

トウガラシの旨みが手伝って広がる、メキシコ料理の奥深いおいしさ。そのおいしさを、今まで食べた料理でたとえようとしても、いままで味わったことのない、そして、地に足のついた、さりげないおいしさなので、表現するのがとても難しい。

ここで、メキシコ料理って、コンビニの冷蔵コーナーにも売っているタコスじゃないの? そんなに奥深い味だったっけ? と思われる方もおられるでしょう。

 私も、行くまではそう思っていて、さして料理に期待をしていませんでした。娘が知り合いから「メキシコ料理っておいしいんだって」などという情報を仕入れてきても、どういう意味だろう、と受け流していたほどだったのです。

 ですが、前回ご紹介したメキシコ料理の本を読むと、じつは日本だけでなく、世界に伝わるメキシコ料理の大半は、かつてメキシコの領土だったアメリカ南部発祥のメキシコ風アメリカ料理なのだとか。

 薄い小麦粉ベースのぱさぱさのクレープのような丸い皮の中に、炒めた挽肉やレタス、トマトなど様々な具材にケチャップなどをつけて、それを巻いて食べるタコス。それをメキシコ料理だと、漫然と思っていたのですが、それは大量生産されるようになって爆発的にアメリカ各地に派生した、一種のファストフードだったのです。
 実際のものは、本場イタリアのピザと、アメリカのファストフードチェーンのピザの違い、いや、それ以上の違いがありました。

 まず具材に巻く皮は、モチ系やさっぱり系、色も黄色だけではなく、白や紫や赤色を、様々な風味のトウモロコシを粉にして、水で溶いたものを、アツアツの石版(もしくは鉄の板)の上にクレープのように、さっと焼いて作るトルティーヤ。

 それも水分がとばないようにふかふか熱々のものをきれいな布で巻いて籠に入れて食事の横に置く繊細さ。それにさまざまな具材を載せ、サルサと呼ばれる家庭や料理人によっても異なる手作りソースを付けて、それらを巻いていただくのです。

 いままでアメリカ文化を経由して日本にもたらされたものがメキシコ料理だと思っている日本人は、きっと多いはず。もっと、このおいしさは宣伝されたほうがいいでしょう、ほんと、もったいない!
(つづく)
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