写真はボホール島。おまんじゅうのようなきれいな丸い形の山が続く。ここに道を作ったので、車はジェットコースターに乗ったように動き、アップダウンのたびに胃がすーっとなる。この山々はかつて珊瑚礁だったものが、地殻変動により、海の上に出たものだという。
【フィリピンのことば】
英語学校の先生方はすべて英語で話しますが、外に出ると必ずしも英語とは限りません。
あるときCNNフィリピンをスマホでキャッチできることに気がつきました。回線が混んでいないときに見ていると(そうでないと画像が止まる!)ニュースの解説は英語でも、気づくと英語以外の言語になっています。
とくにインタビュアーが田舎で質問していると何語かさっぱりわからなくなります。大統領の言語すらも、です。この言語の切り替えがじつに当たり前に、なめらかーにフィリピンのテレビはおこなわれているのです。
これが現実世界の日常でもあるのでしょう。
ご存じのようにフィリピンの公用語はフィリピン語(タガログ語をベースとして作られた国語)と英語。でも、この公用語はじっさいに使われている言語のほんの一部だとは知りませんでした。
フィリピン全体では、控えめに見ても、なんと100以上の言語が存在しているそうです。しかも、日本の共通語と関西弁程度の違いではなく、はっきりと違うらしい。
学校の休みを使って、お隣のボホール島に行ったときのことです。そこで通訳ガイドをつけたことがありました。
そのガイドさんはうれしそうに
「ほら日本人が君のほかにもいるよ」
その人が指さす先に黒髪の平たい顔の人たちがいました。
私がこともなげに
「日本人じゃないですよ。日本語をしゃべってないから」
と言うと、ガイドさんはびっくり仰天。日本人じゃないことに驚いたのではなく、理由は別にありました。
「日本語じゃないかがすぐにわかるのですか?」
日本には方言はあるけど、ちょっと語尾や単語が違う程度で意味はすぐにわかると説明すると、とてもうらやましそうにしていました。フィリピンでは島を離れると、まったく言葉がわからなくなることが多いそう。100語以上あるという言語の隔たりは想像以上に大きいようでした。
セブ島はビサヤ語です。
一方で私の留学した英語学校の本校は、マニラより北方の山岳地帯、ルソン島のバギオにあるとのこと。そのため優秀な教育スキルを持った先生はそこから派遣されてきた方が多かったのですが、その方々と地元で採用された先生方とは言語がまったく違うとのこと。だからバギオからきた先生は学校のない休日はお金の問題もあるのでしょうが、ほとんど宿舎を出ずに過ごすのだといっていました。
前にも書いたように家人は英語の勉強のために英字新聞を毎日、読んでいましたが、見ると、フィリピン全体の政治のことが主でセブ島の事情はほとんど触れられていません。
私は、せっかくセブにいるのだから、と、地元の事情が書かれている新聞をセブンイレブンで買い求めました。水たまりの問題やセブ島の議会が開幕した、といった地元ネタの写真があり、早く読みたいとわくわくして自分の部屋に戻りました。
ぱらりと開けてよく見ると、一面の大見出しは英語だったのに、内容はアルファベットをいくら追ってもさっぱり意味が分からない。なんとビサヤ語の新聞だったのでした。
(つづく)
※関東が大型台風の襲来でたいへんなことになってきました。
ブログが見られる状況ならば、ちょびっと肩の力を抜いて楽しんでいただければ、と思います。
地球温暖化への対策、やや遅し、としても、できることはコツコツと。ちょっとでも、ちょっとでも。
停電などになりましたら、来週の更新はできないでしょうから、少し、長めにアップいたしました。