写真はアンダルシアの交通の要衝アンテケラ駅。駅の周囲には街らしい風景はなく、乾燥した平原と、形のいいとんがり帽子のような切り立った山が見えるばかり。というのも、高速鉄道の乗換駅として高速道からも乗り入れできる駅として街の中心から17キロ離れた場所に2006年に作られた、ジャンクション駅だからだ。
そこに突然、列車やバスから降ろされた人々は各々のやり方で情報収集に追われた。
駅の案内掲示も混乱(アンテケラ駅にて)。
【眠る街・グラナダ】
アンテケラ駅(ANTEQUERA-SANTA ANA)は、清潔感ある石とガラス張りの駅でした。その傍らで我々はバスを降ろされ、運転手も「わからない」といって困惑するのみ。客も皆、いらだつことなく「困ったな」という感じで首をすくめて様子待ち。
駅には別の便に乗っていた日本人の若いカップルがいて、やはり立ちすくんでいました。情報交換をしたのですが、まったく様子がわかりません。とりあえず、駅のトイレに入ろうとしていたら
「グラナダ、アルヘシラス、ロンダ行きは外でバスを待ってください」
とアナウンスが流れました。
急いで駅を出ました。
やがて2時40分にグラナダ行きのバスが出るというので乗り込み、シートにもたれてほっと一息。駅で会った若い日本人カップルも乗っていました。結果、アンテケラ駅を1時間後に出発できたのですから、ラッキーでした。
今、振り返ると、電車がなにかの事情で止ったため、周辺を走っているバスに駅に向かうように指示があったのだと推察されます。同じように駅のロータリーにはバスが数台、止っていました。
さて、その後、順調にアンダルシアの草原を進み、4時すぎ、白い雪峰の目立つシエラ・ネバタ山脈が見えた、と思うや大きな石の街に到着。グラナダ駅が目の前にありました。
ようやく着きました。アンダルシアの宝石とも呼ばれる街、アルハンブラ宮殿のある街。イベリア半島で最後のイスラム王朝の砦となり、1492年に陥落したことで、キリスト教勢力のレコンキスタが終結した、と世界史の教科書に書かれている街。
なのに街中はシャッターが閉まり、動くのは観光客のみ。おどろくほどに眠る街。この世界遺産の街は夕暮れの気配が、実際以上に濃く感じられたのでした。
(移動距離202キロ。なにもなければアルヘシラスからグラナダまでスペインの高速鉄道レンフェで乗り換えなしで3時間20分で到着する。)
参考
https://en.wikipedia.org/wiki/Antequera-Santa_Ana_railway_station