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二度目のロンドン43 水が問題⁈③

2024-08-11 16:38:42 | Weblog
写真はケンジントン・ガーデンズにて。ロンドンは水の都でもある。公園には湖が、そして街には水路や暗渠も多くある。

【硬度や溶け込む物質についての規定がない】
次に日本の水道をより細かく見てみます。公益社団法人日本水道協会ホームページでは全国の浄水場の詳細な水質検査データを公表していて、50項目に及ぶデータが列挙されています。
 たとえば東京都武蔵野市の境浄水所だと最高値のphは8.0で若干の弱アルカリ性ですが、ほとんど中性、ナトリウムやカルシウムは10mg/ℓ以下で基準値の200mg/ℓ以下よりはるかに低い数字となっています。
(近年、発がん性の疑われる有機フッ素化合物(PFAS)が流入していた、と新たに外部調査から指摘されてはじめて明らかになる事実もあり、すべての物質が検査項目に入っているわけではありません。)
※2023年6月23日付東京新聞https://www.tokyo-np.co.jp/article/255545

 まとめると日本の水はおおむね中性で軟水、つまり溶け込んだ物質がない、ということがわかります。

 次に同じくらいの精度のロンドンの水質検査データをウェブ上で探してみました。ところがヒ素や大腸菌量などの水質管理データはあるものの、硬水となるための物質の含有量までは見当たりません。
 硬度は公表されているのに残念です。(https://cdn.dwi.gov.uk/wp-content/uploads/2021/10/11171047/hardness-map.pdf)

 ただ、古いデータですが1989年の民営化後に行われた1992年3月の水質検査では硝酸塩が1ℓ当たり50mg以下とするEC基準を超えていることがわかりました。原因は農家が撒く多量の肥料が地下水に流れ込むため、とのこと。(https://www.clair.or.jp/j/forum/c_report/pdf/077-2.pdf 2024年8月3日閲覧)
さすがにこの問題はいまでは解決されていると信じたい。

 さらに近年、水道水を調査したところ、水道水となる原水からはマイクロプラスチックが検出され、さらに処理された飲用水においても検出限界値以下ではあるもののマイクロプラスチックが検出されています。
(イングランドとウェールズの浄水場内の飲料水とその発生源におけるマイクロプラスチックの同定と定量化【JST・京大機械翻訳】 | 文献情報 | J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンターhttps://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=202002213653782589
 2024年8月8日閲覧)
日本のデータも調査したい項目しか検出されないので、すべて調べつくしているわけではないことは明らかですが、イギリスの水道水のデータは日本ほど公開されていないようです。

 そしてイギリスではそもそも飲料水の規定には硬度、カルシウム、マグネシウムの基準がありませんでした。
(https://www.dwi.gov.uk/consumers/learn-more-about-your-water/water-hardness-hard-water/)

となると、やはり詳細なデータを調べ、公表する義務はないことになります。
近代的な都市をいち早く作り上げ、水道設備を作った国に日本にはあるのに、詳細データがないなんてことがあるかしら、と調べてみるとロンドンの水道システムが、かなり危機的な状況であることがわかってきました。
                   (つづく)

※次週の更新はお休みします。暑さもここに極まれりとおもうほど、大気が焦げたような日中の日本となっております。どうぞ、どうぞ、お身体におきをつけください。暑さは目にもダメージをもたらすそうです。どうぞお気をつけて。(恐竜時代の恐竜の目は意外と見えてなかったのではないかしら、と最近思います。骨格しか化石がでてこないので、イラストをみると大きな目だけど、本当にそうなのか、と。暑さを目で受けとめて感じる実感・・)

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