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閑話休題・明るい葬式

2009-04-19 17:03:21 | Weblog
 雲南中部にある文山の中心街で、たまたま葬式に出くわした。一期の縁と頭を垂れると、「悲しむことはない。80数歳のおばあさんで大往生だったのだから。」

 見ると、皆の顔は明るく、世間話などをしてまるで時間つぶしでもしているかのようにのんびりと過ごしている。亡くなったおばあさんは雲南省のお隣・広西省の最大勢力として知られる壮族の人。

 参加者は白いタオルかはちまきを巻いている。これが彼らの喪章。じつは白い布を巻く風習は紀元前に書かれた儀式の書『儀礼』にも書かれているほど、古くから中国に伝わる葬儀の際の正装だ。

 先頭付近では近所の肌の真っ黒に焼けたお年寄りが二人、真剣な顔をして、ちょっぴりもの悲しいような、明るい音色のチャルメラを響かせていた。通りには長いすと長テーブルを並べ、ガチョウの丸焼きや花びらのような細工を施したにんじんや玉ねぎなどの野菜類、うさぎの形をした饅頭や亀、象、キリンなどの形をした砂糖の固まり、シンプルなケーキなど102皿がズラリ。それを通りの人がじっくり見ては、誉め称える。

 写真を撮らせていただくと
「ばあさんも喜びますよ」と5色の色鮮やかなもち米のおにぎりを振る舞われた。自然の色と着色料のものとが混ざっている。この5色握りは壮族のお祭りには欠かせないものだと、文山文化局の博物館で見たばかりだった。

「まつりなのだな。」

 葬列の横を、中国風ランドセルをしょった丸刈り頭の少年が駆け抜けていった。
    


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