石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

(SF小説) ナクバの東(66)

2025-02-06 | 荒葉一也SF小説

Part I:「イスラエル、イラン核施設を空爆す」(63)

第24章 米軍乗り出す(2)殺(や)られる前に殺(や)れ(1/2)
 
ペルシャ湾地域の混乱はイランの核開発疑惑問題に端を発した米国のイラン封じ込め政策によってさらにエスカレートした。イランが核開発で地域の主導権を握れば、中東全体が不安定になり、さらに将来イランの核兵器がイスラム・テロ組織に流れる恐れがある、というのが米国の理屈である。

しかし米国が本当に守ろうとしていた利益、それはイスラエルの安全保障であった。米国にとってはるか大西洋を隔て地球の裏側にあるとも言えるイスラエルそのものは経済的にはさほど大きな意味を持たない。それでも米国がイスラエルに肩入れするのは、政治家たちがイスラエル・ロビーの圧力に意のままに操られているためであり、また聖地エルサレムのあるイスラエルに対するキリスト教右派の過剰な思い入れのためであった。さらに9.11同時多発テロが米国民のアラブに対する嫌悪感を高めた。それを最大限に利用したのがイスラエルでありそのロビイスト達であった。

(続く)

荒葉一也
(From an ordinary citizen in the cloud)
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