2.国別企業数とその合計売上高
兵器メーカートップ100社の国別分布をみると、最も多いのは米国の41社である。世界全体の4割強を占めており、米国が世界一の兵器生産国と言えよう。ちなみに41社の売上総額は3,170億ドルに達し、100社総売上高の50%を占めており、金額面での世界シェアはさらに大きい。
米国を含み2社以上リストアップされている国と各国の合計売上高は以下の通りである。
国名 企業数 合計売上高 金額ベース順位
米国 41 316,750百万ドル 1位
中国 9 102,890 2
英国 7 47,680 3
フランス 5 25,530 4
日本 5 9,990 11
韓国 4 10,980 9
ドイツ 4 10,670 10
(汎ヨーロッパ) 3 20,990 6
イスラエル 3 13,600 8
インド 3 6,740 12
トルコ 3 6,040 13
ロシア 2 25,500 5
イタリア 2 15,210 7
(注)「汎ヨーロッパ」はヨーロッパの複数国をまたぐ多国籍企業であり具体的にはAirbus社など。
上記のほかに1社のみリストアップされているのは、スウェーデン、台湾、シンガポール、ウクライナ、ポーランド、ノルウェー、カナダ、チェコ及びスペインの9か国がある。
米国は企業数、金額ベースとも最も大きく、企業数では4割を超え、金額ベースでは5割を超えている。米国は高価な兵器の製造で他国を圧倒していることがわかる。米国に次いで企業数が多いのは中国の9社であり、先に触れたとおり世界トップ10に3社が入っている。ただし金額ベースでは全体の16%にとどまっており小型あるいは通常型兵器の生産が主流を占めていると考えられる。
3位、4位は英国及びフランスである。このほか6位、7位、10位に汎ヨーロッパ企業、イタリア及びドイツが入っており、西欧は兵器の一大生産拠点と言えよう。伝統的な兵器生産国であるロシアは世界7位のRostecを含め2社が世界上位100社に入っている。他国に比べ企業数が少なく、兵器の製造が一部企業に独占されているようである。
売上高8位はイスラエル、第9位は韓国である。人口規模の小さい両国は軍需産業に力を入れているようである。ちなみに日本は世界11位(5社、売上合計100億ドル)、インドは12位(同、3社、67億ドル)であり、その他の国々はトルコ(13位、3社、60億ドル)、ウクライナ(17位、1社、22億ドル)、チェコ(21位、1社、12億ドル)などである。
(続く)
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