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Part I:「イスラエル、イラン核施設を空爆す」(64)
第24章 米軍乗り出す(2)殺(や)られる前に殺(や)れ(2/2)
「殺(や)られる前に殺(や)れ」「先制攻撃こそ最大の防御」と言ってはばからないイスラエルの右派政府及び軍部は、イランの核施設建設が進むにつれてますます強硬になっていった。かれらはこれまでにもイラクのオシラク原子力発電所やシリアの核疑惑施設を空爆している。イスラエルは自己の安全が脅かされると感じれば躊躇しない。それは脅威が客観的に証明されると言うレベルの問題ではなく、彼ら自身が脅威を「感じる」と言う皮膚感覚である。
イスラエル右派政府及び軍部のそのような皮膚感覚は日本人のように平和な世界に生きる者とは全く異なる。彼らは建国以来60年以上もの間、脅威と隣り合わせに生きてきた。彼らに常識的な脅威論や平和論は通用しない。明日攻撃されるかもしれない相手に対する正しい対応は、「殺られる前に殺る」ことである。そこでは彼ら自身の暴力は正しい暴力であり、敵の暴力は叩きのめすべき暴力なのである。
今やイランに対しても同じことである。イスラエル国内の強硬派の暴走とそれを後押しする米国内の国会議員や右派宗教指導者たち。ワシントンが彼らを抑えるのはもはや限界であった。
(続く)
荒葉一也
(From an ordinary citizen in the cloud)