石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

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三大国際石油企業2012年度業績速報シリーズ(6)

2013-03-26 | 海外・国内石油企業の業績

(注)本レポートは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括ご覧いただけます。

http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0258Bp2012.pdf

 

III.BPの業績(下)

2.2008~2012年の業績推移
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/2-D-4-93eBp.pdf参照)
2008年から2012年までの過去5年間のBPの売上、利益、設備投資及び生産量は以下の通りであった。

(1) 売上高
 2008年に3,611億ドルであったBPの売上は原油価格が急落したため2009年には34%減の2,393億ドルに減少した。その後2010年は2,971億ドルに回復、2011年には過去5年間で最高の3,755億ドルに達し、2012年もほぼ横ばいの3,709億ドルであった。
 後述するように生産量は2008年から2009年にかけて4.2%増加した後は毎年減少を続けており、売上高の増減と全く逆の様相を示している。つまり売上高の増減はひとえに石油価格の急騰と急落によるものであり、売上高と生産量には相関関係が無いのである。

(2) 利益
2008年に212億ドルの利益を計上したBPは2009年には166億ドルにとどまった。この額はShell(125億ドル)よりも多く、ExxonMobil(193億ドル)に比べ遜色がなかった。しかし2010年以降の同社の損益は不安定な状況を示している。即ち2010年はメキシコ湾事故の影響により37億ドルの赤字となり、翌2011年は石油価格の高騰により一転して史上最高の257億ドルを計上した。しかし2012年はメキシコ湾事故に関する米国政府との補償問題が決着した結果、改めて事故関連の損失50億ドルを計上したことにより同年の利益は前年比23%減の116億ドルとなった。メキシコ湾事故の民事訴訟は未だ最終決着しておらず今後も同社の業績の足を引っ張る可能性が残っている。

(3) 設備・探鉱投資額
 同社の投資額は2008年307億ドル、2009年203億ドル、2010年230億ドル、2011年315億ドル、2012年243億ドルであった。同社は過去5年間、毎年利益額を上回る投資を続けており、メキシコ湾事故で巨額の損失を計上した2010年も高い投資水準を維持し、2011年及び2012年は当年度利益を大幅に上回る投資を行っている。但し次項に述べるごとく生産量は2009年をピークに毎年減少しており短期的には投資の効果が見られない。

(4) 生産量(石油及び天然ガスの合計生産量)
 2008年に384万B/Dであった生産量は2009年には400万B/Dに達した。しかし翌2010年には382万B/Dに減少、その後2011年345万B/D、2012年333万B/Dに減少、BPは生産の低落傾向に歯止めがかからない状態である。

(BP編 完)

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 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
   E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 

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