(注)本レポートは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。
http://mylibrary.maeda1.jp/0422BpOilGas2017.pdf
2017.10.12
前田 高行
(石油・天然ガスの消費が急増する中国、日本は16年間で12%減!)
(5)主要5カ国の消費量推移(2000年~2016年)
(図http://bpdatabase.maeda1.jp/3-3-G04.pdf 参照)
米国、日本、中国、ロシア及びインドの5カ国について2000年から2016年までの各国の石油と天然ガスの合計消費量を見ると、米国の消費量は他の国を圧倒しており2000年時点で3,109万B/Dとロシア(875万B/D)の3.6倍、日本(679万B/D)の4.6倍、中国(513万B/D)の6倍あり、インド(271万B/D)に対しては10倍以上の差があった。
米国の消費量は2012年まで横ばい状態を続けたが、最近4年間は増加傾向にあり、2016年は3,305万B/Dと史上最高となった。中国の消費量は爆発的に増加しており、2004年には日本を超え、さらに2009年にはロシアを追い抜き米国に次ぐ世界第2位の石油・天然ガス消費国となり、2016年の消費量は2000年比3.1倍の1,601万B/Dに達している。この結果かつて6倍であった米国と中国の差は2倍にまで縮まっている。
インドも中国程ではないが年々増加しており2000年に271万B/Dであった消費量は、2004年には300万B/D、そして2009年には400万B/Dを突破、2016年の消費量は2000年比2倍の535万B/Dに達している。日本との差は60万B/Dであり現在の趨勢が続けば数年中にインドの消費量は日本を上回ることになろう。
日本の石油・天然ガスの消費量は2000年から2009年まではほぼ一貫して減少し、2009年には600万B/Dを下回った。その後漸増し2015年までは600万B/D台を維持したが2016年には再び600万B/Dを割っており、2000年を12%下回っている。比較した5か国の中で2000年の水準を下回っているのは日本だけであり際立った特徴を示している。これは景気低迷によりエネルギー消費が減少したこと及び省エネ政策によりエネルギー効率が向上したためと考えられる。省エネ政策や再生エネルギー利用は今後も継続的に発展することが見込まれるが、一方では原発の停止により火力発電用石油・天然ガスが増えることは避けられないであろう。
(続く)
本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
前田 高行 〒183-0027東京都府中市本町2-31-13-601
Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp