2020.10.17
前田 高行
前田 高行
IMF(国際通貨基金)では毎年4月および10月に世界各国の経済見通し「World Economic Outlook Database (WEO)」を発表しており、今年10月版(以下WEO2020Oct)がインターネット上に公開された。
*URL: https://www.imf.org/external/pubs/ft/weo/2020/02/weodata/index.aspx
ここでは2017年から2021年(予測)までのGDP(current price, ドル建て)を取り上げ、成長率については前回2020年4月版(以下WEO2020Apr) と比較して世界とMENA主要国の経済状況の変化を検証する。
(主要国で中国のみプラス成長、その他は軒並み5%以上のマイナス成長!)
1.2020/21年のGDP成長率
(表http://menadabase.maeda1.jp/1-B-2-08.pdf 参照)
(1)全世界及び主要経済圏のGDP成長率
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-B-2-01.pdf 参照)
IMFは今年(2020年)の世界のGDP成長率を▲4.4%と見込んでいる。言うまでもなく世界的に猛威を振るっている新型コロナウィルスにより、世界ベースで経済がマヒ状態に陥ったためである。
経済圏毎に見ると主要先進7カ国(G7)が▲5.9%、EUは▲7.6%、ASEAN5カ国は▲3.4%とされている。落ち込みはG7、EUなどの先進地域で激しく、東南アジア新興国のASEAN-5は比較的傷は浅いように見える。
来年(2021年)は全世界の成長率は5.2%のプラスになると予測しており、IMFでは来年は今年の落ち込みを吸収し、通常の経済成長に戻ると見ている。G7及びEUの来年の成長率はそれぞれ3.8%及び5.0%であり、プラスに転じるものの成長率は世界平均を下回ると見込んでいる。ASEAN5カ国は今年の▲3.4%から来年は一挙に6.2%と世界平均を上回る成長が見込まれ、中国(後記)と共に世界経済の成長センターとしての活力を取り戻しそうである。
(続く)
本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp