1. 五社の7-9月期業績比較(続き)
(7)キャッシュ・フロー
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-71.pdf参照)
(注) 各社の第3四半期決算書では、Shell、BP及びTotalは7-9月の3か月間のキャッシュ・フロー(以下C/F)を明記している。しかしChevronは1-9月の9か月間のC/Fフローが表示され、またExxonMobilは営業C/Fのみの明記にとどまっている(年間決算書では完全なC/Fシートが公開されている)。従ってここではChevronについて前期の1-6月C/Fと1―9月のC/Fの差額を7-9月C/Fとし、Shell、BP及びTotalと合わせて比較することとする。
今期の4社の営業C/FはShellが104億ドルで最も多く、次いでBPが52億ドル、Total44億ドルであり、Chevronは4社の中では最も少ない35億ドルにとどまっている。前期は販売不振及び価格の低迷により売上、利益が大幅に落ち込み営業活動におけるキャッシュ・ジェネレーションも過去1年間で最低の水準に落ち込んだが、今期は各社とも改善している。
投資C/Fによるキャッシュの流出はBPが最も多く35億ドルであった。これに次ぐのがShellの28億ドルであり、Total及びChevronは共に19億ドルであった。財務C/Fの収支はShellのみが2億ドルの収入超過であり、その他3社は支出超過であった。財務C/Fは借入金の支払い金利、借入金の返済あるいは新規借入で構成され、通常、投資が少ない時は既存借入金を返済し、新規借入を控えて財務の健全化を図ろうとすることが多い。因みにBP、Total、及びChevronの支出超過額は、BP 56億ドル、Total 21億ドル、Chevron 17億ドルであった。Shell、BP、Totalはいずれも前期に新たな借入により手許現金を厚くしている。売り上げの激減に直面し、しかも早急な回復が見込めないため、運転資金の不足に備えたものと思われるが、Shellはなお資金の積み増しを行っているようである(後述「財務C/Fの推移」、「期末C/F残高の推移」参照)。
(続く)
本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp
(7)キャッシュ・フロー
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-71.pdf参照)
(注) 各社の第3四半期決算書では、Shell、BP及びTotalは7-9月の3か月間のキャッシュ・フロー(以下C/F)を明記している。しかしChevronは1-9月の9か月間のC/Fフローが表示され、またExxonMobilは営業C/Fのみの明記にとどまっている(年間決算書では完全なC/Fシートが公開されている)。従ってここではChevronについて前期の1-6月C/Fと1―9月のC/Fの差額を7-9月C/Fとし、Shell、BP及びTotalと合わせて比較することとする。
今期の4社の営業C/FはShellが104億ドルで最も多く、次いでBPが52億ドル、Total44億ドルであり、Chevronは4社の中では最も少ない35億ドルにとどまっている。前期は販売不振及び価格の低迷により売上、利益が大幅に落ち込み営業活動におけるキャッシュ・ジェネレーションも過去1年間で最低の水準に落ち込んだが、今期は各社とも改善している。
投資C/Fによるキャッシュの流出はBPが最も多く35億ドルであった。これに次ぐのがShellの28億ドルであり、Total及びChevronは共に19億ドルであった。財務C/Fの収支はShellのみが2億ドルの収入超過であり、その他3社は支出超過であった。財務C/Fは借入金の支払い金利、借入金の返済あるいは新規借入で構成され、通常、投資が少ない時は既存借入金を返済し、新規借入を控えて財務の健全化を図ろうとすることが多い。因みにBP、Total、及びChevronの支出超過額は、BP 56億ドル、Total 21億ドル、Chevron 17億ドルであった。Shell、BP、Totalはいずれも前期に新たな借入により手許現金を厚くしている。売り上げの激減に直面し、しかも早急な回復が見込めないため、運転資金の不足に備えたものと思われるが、Shellはなお資金の積み増しを行っているようである(後述「財務C/Fの推移」、「期末C/F残高の推移」参照)。
(続く)
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