石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

石油と中東のニュース(11月17日)

2020-11-17 | 今日のニュース
(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil
(石油関連ニュース)
・OPEC+で現行削減枠770万B/Dの来年1月以降3カ月延長に合意。イラク、リビアは異論。  *
・OPEC+の減産継続で原油価格急騰:Brent $45近くに

OPEC各国、米露の生産量推移(2018年1月以降)

(中東関連ニュース)
・トランプ大統領、イラクとアフガニスタンの兵力を各2,500人に削減
・シリアのMoallem外相死去
・UAE、医師、エレクトロニクス技術者などに10年の長期居住ビザ発行
・世界のイスラム経済規模2.4兆ドルに:2020/21レポート公表。  **

**追って本ブログで概要をレポートします。2019/2020レポートは下記参照。
http://mylibrary.maeda1.jp/0489GlobalIslamicEconomy2019-20.pdf
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ポスト・コロナ、ポスト化石燃料で苦闘する国際石油企業:2020年7-9月期決算速報 (8)

2020-11-17 | 今日のニュース
(注)本レポートは「マイ・ライブラリー」で一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0518OilMajor2020-3rdQtr.pdf

2.2019年第3四半期以降の四半期別業績の推移(続き)
(2)利益の推移
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-62.pdf 参照)
 過去1年間の四半期ごとの利益水準は増減幅が小さいExxonMobilを除きその他の各社は大きく変動している。前期(4-6月期は5社すべてがマイナス決算になり、ExxonMobil(▲11億ドル)以外の4社はTotal、Chevronが80億ドル台の赤字を計上、ShellとBPは▲160~180億ドルの巨額の欠損を計上している。今期は各社とも大幅な赤字を免れShell及びTotalは黒字に転換したが黒字額は少ない。またその他の3社も赤字幅は小さく、5社は損益の境界線を挟んでしのぎを削っている状況である。

過去一年間の推移を見ると、昨年第3四半期の利益はShellの59億ドルを筆頭に、ExxonMobil 32億ドル、Total 28億ドル、Chevron 26億ドルで、BPのみが▲7億ドルの赤字であった。第4四半期にはExxonMobilがShellに替わってトップの57億ドルの利益を計上、Chevronは▲66億ドルの大幅な損失を出している。さらに今年第1四半期にはChevronが前期のマイナスから一転して36億ドルの利益を計上、TotalとShellは収支トントンであり、BPとExxonMobilはマイナス決算に転落した。そして先に述べた通り前期(4-6月期)は5社すべてが赤字であり、ExxonMobilは▲11億ドルで比較的傷は浅かったが、ChevronとTotalは80億ドル強の欠損となり、BPとShellはそれぞれ▲168億ドル、▲181億ドルの巨額の赤字を強いられている。そして今期(7-9月期)は各社の損益はほとんど差がない状況である。

(3)売上高利益率の推移
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-63.pdf 参照)
 1年前の昨年第3四半期の五社の利益率はChevronが7.1%と最も高く、次いでShell 6.6%、Total 5.8%、ExxonMobil 4.9%と続き、BPは5社の中で唯一▲1.1%の損失率であった。

各社のその後の利益率の推移を見るとShellは6.6%(3rd Qtr)→1.1%(4th Qtr)→0.0%(’20 1st Qtr)→▲55.8%(2nd Qtr) →1.1%(3rd Qtr)と前期に大きく落ち込んでいる。TotalもShellと同様の傾向を示している(5.8%→5.3%→0.1%→▲32.5% →0.6%)。

Chevronは7.1%(3rd Qtr)→▲18.2%(4th Qtr)→11.4%(’20 1st Qtr)→▲51.9%(2nd Qtr)→▲0.8%(3rd Qtr)と激しいアップダウンを繰り返しており、BPは▲1.1%(3rd Qtr)→0.0%(4th Qtr)→▲7.3%(’20 1st Qtr)→▲53.2%(2nd Qtr) →▲1.0%(3rd Qtr)と低空飛行を続けている。ExxonMobilの利益率は4.9%(3rd Qtr)→8.5%(4th Qtr)→▲1.1%(’20 1st Qtr)→▲3.3%(2nd Qtr) →▲1.5%(3rd Qtr)であり、今年第一四半期から3期連続でマイナスであるが、他社に比べ振幅の幅が小さいのが特色である。

(続く)

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
E-mail; maedat@r6.dion.ne.jp

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする