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http://mylibrary.maeda1.jp/0518OilMajor2020-3rdQtr.pdf
2.2019年第3四半期以降の四半期別業績の推移(続き)
(2)利益の推移
(図
http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-62.pdf 参照)
過去1年間の四半期ごとの利益水準は増減幅が小さいExxonMobilを除きその他の各社は大きく変動している。前期(4-6月期は5社すべてがマイナス決算になり、ExxonMobil(▲11億ドル)以外の4社はTotal、Chevronが80億ドル台の赤字を計上、ShellとBPは▲160~180億ドルの巨額の欠損を計上している。今期は各社とも大幅な赤字を免れShell及びTotalは黒字に転換したが黒字額は少ない。またその他の3社も赤字幅は小さく、5社は損益の境界線を挟んでしのぎを削っている状況である。
過去一年間の推移を見ると、昨年第3四半期の利益はShellの59億ドルを筆頭に、ExxonMobil 32億ドル、Total 28億ドル、Chevron 26億ドルで、BPのみが▲7億ドルの赤字であった。第4四半期にはExxonMobilがShellに替わってトップの57億ドルの利益を計上、Chevronは▲66億ドルの大幅な損失を出している。さらに今年第1四半期にはChevronが前期のマイナスから一転して36億ドルの利益を計上、TotalとShellは収支トントンであり、BPとExxonMobilはマイナス決算に転落した。そして先に述べた通り前期(4-6月期)は5社すべてが赤字であり、ExxonMobilは▲11億ドルで比較的傷は浅かったが、ChevronとTotalは80億ドル強の欠損となり、BPとShellはそれぞれ▲168億ドル、▲181億ドルの巨額の赤字を強いられている。そして今期(7-9月期)は各社の損益はほとんど差がない状況である。
(3)売上高利益率の推移
(図
http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-63.pdf 参照)
1年前の昨年第3四半期の五社の利益率はChevronが7.1%と最も高く、次いでShell 6.6%、Total 5.8%、ExxonMobil 4.9%と続き、BPは5社の中で唯一▲1.1%の損失率であった。
各社のその後の利益率の推移を見るとShellは6.6%(3rd Qtr)→1.1%(4th Qtr)→0.0%(’20 1st Qtr)→▲55.8%(2nd Qtr) →1.1%(3rd Qtr)と前期に大きく落ち込んでいる。TotalもShellと同様の傾向を示している(5.8%→5.3%→0.1%→▲32.5% →0.6%)。
Chevronは7.1%(3rd Qtr)→▲18.2%(4th Qtr)→11.4%(’20 1st Qtr)→▲51.9%(2nd Qtr)→▲0.8%(3rd Qtr)と激しいアップダウンを繰り返しており、BPは▲1.1%(3rd Qtr)→0.0%(4th Qtr)→▲7.3%(’20 1st Qtr)→▲53.2%(2nd Qtr) →▲1.0%(3rd Qtr)と低空飛行を続けている。ExxonMobilの利益率は4.9%(3rd Qtr)→8.5%(4th Qtr)→▲1.1%(’20 1st Qtr)→▲3.3%(2nd Qtr) →▲1.5%(3rd Qtr)であり、今年第一四半期から3期連続でマイナスであるが、他社に比べ振幅の幅が小さいのが特色である。
(続く)
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