石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

5社中3社が200億ドル強の巨額損失を計上:五大国際石油企業2020年度業績速報シリーズ(2)

2021-02-16 | 今日のニュース

I.5社の2020年第4四半期(10-12月)及び通年(1-12月)業績概要(続き)

以下の各表参照。

表A:http://menadabase.maeda1.jp/1-D-4-20A.pdf (利益、売上、設備投資)

表B:http://menadabase.maeda1.jp/1-D-4-20B.pdf (キャッシュフロー)

表C:http://menadabase.maeda1.jp/1-D-4-20C.pdf (石油・ガス生産量)

 

(赤字はExxonMobilに次ぐ217億ドル!)

2.Shell

*同社ホームページ:

https://www.shell.com/investors/results-and-reporting/quarterly-results/2020/q4-2020.html

(1)売上高

 Shellの2020年10-12月の売上高は450億ドル、通年売上高は1,832億ドルであった。前年同期比ではそれぞれ47%及び48%の減収である。

 

(2)利益

 10-12月期及び通年の損益はそれぞれ▲40億ドル及び▲217億ドルであり、前年は10-12月期が10億ドル、通年では158億ドルの黒字決算であり、今期は一転して大幅な欠損となった。上流部門の10-12月期は前年度▲9億ドルの赤字幅が今期は▲21億ドルに拡大しており、下流部門は12億ドルの黒字から▲18億ドルの赤字に転落、上下流両部門ともにマイナスであった。(注、最終損益額には石油化学部門その他の損益が合算されているため、部門別の上流・下流部門の損益合計額とは一致しない。)

 

(3)売上高利益率

 通年ベースの売上高利益率は▲12%であり前年の4.5%から大幅に悪化している。

 

(4)設備・探鉱投資

 2020年の年間の設備・探鉱投資額は166億ドルであり前年の230億ドルより28%下回っている。

 

(5)キャッシュフロー

Shellの2020年の年間営業キャッシュフローは341億ドルであった。これに対して投資キャッシュフロー及び財務キャッシュフローはそれぞれ▲133億ドル、▲72億ドルであった。この結果同社の2020年12月末のキャッシュフロー残高は318億ドルとなっている。

 

(6)石油・ガス生産量

 昨年のShellの石油生産量は日量平均1,803千B/Dであり、前年(2019年)より4%減少している。天然ガスは日量平均9,181mmcfdであり前年までの1千万cfdを切っている。石油と天然ガスの合計生産量は石油換算で3,386千B/Dとなり、前年比8%減となっている。

 

(続く)

 

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        前田 高行

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        E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 

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