- 2020年の業績比較
(売上1,800億ドル台で拮抗するExxonMobil、Shell、BPの3社!)
1.売上高
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-01.pdf参照)
ここではExxonMobil, Shell, BP, Total及びChevron5社の2020年の売上高を比較する。5社の中で売上高が最も大きいのはShellの1,832億ドルであり、これに続くのがExxonMobil 1,815億ドル、BP 1,804億ドルであり、3社の差はほとんどない。なお後述する8カ年(2013-2020年)業績推移にも触れるが、過去8年間では2015年を除きShellが売上高トップである。
Total、Chevronの売上高はそれぞれ1,407億ドル及び945億ドルで、TotalはトップのShellの売上高の8割弱、Chevronは半分強である。
(5社すべてがマイナス、ExxonMobil他2社は200億ドル強の巨額損失!)
2. 損益
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-02.pdf 参照)
2020年は新型コロナウィルス禍により石油の価格・販売量ともに極端な不振であった。このため5社はいずれも巨額の損失を余儀なくされ、特にExxonMobil、Shell及びBPの売上高上位3社の損失額はそれぞれ▲224億ドル、▲217億ドル、▲203億ドルと日本円換算で2兆円以上に上っている。またTotal、Chevronの下位2社もTotal ▲72億ドル、Chevron ▲55億ドルの損失を計上している。
3.上流部門/下流部門損益
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-03.pdf 参照)
(注)上記2の全体損益には上流部門及び下流部門(石油精製販売部門)の他化学部門の利益または損失が含まれている場合があり本項の合計額とは必ずしも一致しない。
上流部門の損益は5社のうちTotalのみは利益を計上したが、その他の4社はマイナスである。ExxonMobilの損失は▲200億ドルに達し、損失全体(▲224億ドル、上記参照)のほとんどを占めている。Shellの上流部門の損失も100億ドル以上である(▲108億ドル)。BP及びChevronはそれぞれ▲50億ドル及び▲24億ドルのマイナスであり、Totalのみが24億ドルの利益を計上している。
下流部門は上流部門のような大きな損益格差は無い。5社の中ではExxonMobil及びShellがマイナスであり、Chevronはほぼ損益が均衡、BP及びTotalの下流部門はプラスであった。ExxonMobilのマイナス額は▲11億ドルであり、Shellは▲5億ドル、BPの上流部門の利益は31億ドルであり5社の中では利益が最も多い。
4.売上高利益(損失)率
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-04.pdf 参照)
2020年は全社が損失を計上している。売上高と損失の比率である売上高損失率を見ると、ExxonMobilが▲12.4%で最も悪く、次いでShell及びBPが▲11%台で並んでいる。残るChevron及びTotalの売上高損失率は共に▲5%台である。
(続く)
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前田 高行
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