2.世界の石油・天然ガスの消費量(続き)
(2-3) 米国、中国、日本、インド4カ国の過去10年間の消費量推移
(日本を追い抜き格差広げるインド!)
(2-3-1)石油 (図http://bpdatabase.maeda1.jp/3-G03a.pdf参照)
2022年の石油消費量が世界1位から3位までの米国、中国、インド及び世界6位の日本について2013年から2022年まで10年間の石油消費量の推移を追う。
2013年の米国の消費量は1,800万B/Dであり、中国1,060万B/D、日本450万B/D及びインド370万B/Dであった。米国は2019年に1,940万B/Dに達し、2020年はコロナ禍のため1,720万B/D強に急減したが、2022年には1,910万B/Dまで回復している。
これに対し中国の消費量は2013年以降2021年まで一本調子で増加、2017年に1,300万B/Dを突破、2021年には1,490万B/Dに達した。2022年は過去10年間で初めて前年度を下回る1,430万B/Dにとどまり、それまで縮まる一方であった米国との格差が再び開く結果となっている。
日本の消費量は長期減少傾向にあり、2013年には米国、中国に次いで世界3位であったが、2015年にはインドに追い抜かれ世界4位に転落した。その後さらにサウジアラビア及びロシアにも追い抜かれ、昨年の消費量は世界6位の334万B/Dであった。
(アジアの天然ガス消費をけん引する中国!)
(2-3-2)天然ガス (図http://bpdatabase.maeda1.jp/3-G03b.pdf参照)
米国(2022年の天然ガス消費量世界1位)、中国(同3位)、日本(同7位)及びインド(同15位)の2013年から2022年までの消費量の推移を見ると、2013年は米国が7,070億立方メートル(㎥)、次いで中国が1,719億㎥、日本1,235億㎥、インド490億㎥であった。米国とその他3カ国の格差は4倍以上であった。その後中国の消費量は急ピッチで増加、2016年には2千億㎥、2019年には3千億㎥を突破、2022年の消費量は3,757億㎥を記録し、米国との格差は2倍近くに縮まっている。
一方この間日本の消費量は2014年の1,248億㎥を天井にその後は年々減少し、2022年には1,005億㎥となり中国の4分の1に縮小している。インドは2013年の消費量490億㎥に対し2022年は582億㎥であり過去10年間の増加率は低い。
(まだまだ格差が大きい1位米国と2位中国!)
(2-3-3)石油+天然ガス(図http://bpdatabase.maeda1.jp/3-G03c.pdf参照)
石油とガスを合計した消費量を米国、中国、インド及び日本の4カ国で比較すると、まず2013年の消費量は米国が3,018万B/D(石油換算、以下同じ)である。中国は1千万B/Dを超えており(1,353万B/D)、日本とインドは663万B/D及び456万B/Dであった。米国は2019年に3,410万B/Dまで伸び、2020年はコロナ禍の影響で急落したが、2022年には3,430万B/Dに達している。
中国は2021年まで一度も減少することなく同年の消費量は2,145万B/Dまで増加したが、2022年は若干減少し2077万B/Dにとどまっている。2013年に2.2倍であった米国と中国の格差は、その後年々縮小したが2022年の格差は1.7倍でありまだ両国の開きは大きい。
日本は石油、天然ガス共に過去10年間消費が減少しており2022年の消費量は507万B/Dで2013年を150万B/D以上下回っている。インドは天然ガス消費は停滞したが、石油消費は増加している。この結果合計消費量では2018年に日本を超え、その後格差は広がり2022年には日本を100万B/D以上上回っている。
(続く)
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