(英語版)
(アラビア語版)
(目次)
第2章 戦後世界のうねり:植民地時代の終焉とブロック化する世界(7)
045.東西二大陣営の激突(1/3)
英仏の植民地帝国主義に代わって登場したのが米国とソ連を頂点とする東西二大陣営である。18世紀に始まった産業革命は資本家と労働者の二極化をもたらし、19世紀にカール・マルクスは資本論の中で「生産手段が少数の資本家に集中し、一方で自分の労働力を売るしかない多数の労働者が存在する生産様式」を資本主義と定義した。
マルクスは生産手段を共同所有することで平等な社会を目指す「共産主義」を提唱、個人主義・自由主義の弊害に対抗する社会主義思想と相まって、20世紀初めには資本主義にかわる新思想として社会主義・共産主義が浸透していった。そしてそれが最初に陽の目を見たのがロシア革命であり、世界初の社会・共産主義国家として1917年に「ソビエト社会主義共和国連邦」(略称ソ連)が生まれた。
第一次世界大戦中に誕生したソ連はその後着々と実力を蓄え、第二次世界大戦では連合国の一翼として全体主義国家ドイツ及び日本を倒す原動力となった。しかし第二次世界大戦中は互いの主張こそ違え「呉越同舟」、「同床異夢」の関係であったが、戦争が終わると、水と油の関係の両者の対立が表面化した。直接の衝突を回避した関係は「冷戦」と呼ばれたが、実際には世界各地で「熱い戦争」が続発した。
(続く)
荒葉 一也
E-mail: Arehakazuya1@gmail.com