第2章 民戦後世界のうねり:植民地時代の終焉とブロック化する世界(4)
042.ラ・マルセイエーズとインターナショナルの歌(1/3)
第二次世界大戦は資本主義国家の米英仏と社会主義国家のソ連が共同して全体主義国家ドイツ・日本と戦って勝った戦争であった。わずか半世紀足らずの間に二度の世界規模の戦争を経験し疲弊した世界は国際連合を設立し恒久的な平和を追求した。
国連憲章は第一条で「国際の平和及び安全を維持すること」を目的とすると明記した。誰もが戦争は二度と御免であった。だが思想の異なる二大陣営の平和はすぐにほころびを見せた。但し両陣営が直接対決する「熱い戦争」をかろうじて踏みとどまり、「冷戦」と言う形の睨み合いが始まった。「冷戦」とは言え世界各地では西側資本主義諸国とソ連社会主義国両陣営の代理戦争と言う形で局地的な「熱い戦争」は絶えなかった。
それは中東では軍事クーデタと言う形の革命の形をとった。エジプトでは英国の支援を受ける王政派に対しソ連の支援を受けたナセルたち青年将校団との対決であり革命であった。またシリアでは実質的な権力を手放すまいとして特定少数派部族を支援するフランスとソ連の軍事援助を受けた多数派部族による部族間の権力争奪闘争であった。
(続く)
荒葉 一也
E-mail: Arehakazuya1@gmail.com