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http://mylibrary.maeda1.jp/0601WorldRank7.pdf
(世界ランクシリーズ その7 2024年版)
(10年前に比べ中国、インドは1.6倍、日本は10%増!)
5.2014年~2023年の軍事費の推移
ここではまず米国、中国、インド及び日本の4カ国の過去10年間の軍事費の推移を比較し、次いで現在進行中の二つの熱い戦争、すなわちウクライナ戦争及びパレスチナ戦争について、それぞれの紛争の当事国と言えるロシア、ウクライナ、イスラエル及びイラン4カ国の軍事費の増減を比較検討することとする。
(年平均6%の高い伸びを示す中国とインド!)
(1)米中印日各国の軍事費の推移
(図http://rank.maeda1.jp/7-G05a.pdf参照)
日本と米国、中国及びインド4カ国主要国の過去10年間(2014年~2023年)の軍事費の推移を比較すると、2014年の軍事費は米国が6,478億ドルで最も多く、これに次ぐのは中国の1,821億ドル、インド509億ドル、日本469億ドルであった。4カ国の順位はその後10年間変わっていないが、日本とその他3カ国の格差は拡大している。
米国の軍事費は2014年以降2017年までは横ばいの微減状態であったが、その後は年々増加し2021年には8千億ドルを超え2023年には9千億ドルを超えている。この間の年間平均増加率は4.1%であった。これに対して中国の軍事費は年平均6.3%増加、2017年には2千億ドルを突破、2022年は2,964億ドルと10年間で1.6倍に増加、米国との格差も3分の1に縮小している。
インドも中国とほぼ同じ割合で増加し2014年の509億ドルから2023年には1.6倍の836億ドルに増加しており、世界順位も米国、中国、ロシアに次いで4位に上がっている。
これら3カ国に対して日本の軍事費は横ばい傾向にあり、10年間を通じて年間軍事費は500億ドル前後の水準にとどまっている。即ち2014年の軍事費は469億ドルであり、その後2020年に514億ドルのピークに達した後、再び500億ドル前後にとどまっている。この結果10年前は世界7位であったが、2023年の世界ランクは10位である。
(続く)
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