(英語版)
(アラビア語版)
Part I:「イスラエル、イラン核施設を空爆す」(72)
第27章 米軍乗り出す(5)米軍機の救援呼びかけ(3/3)
<本当に救助してくれるのだろうか?>
彼の体のどこかで<これは巧妙な罠だ>という声が聞こえた。
彼の頭脳は米軍の救援を信じようとする。しかし肉体のあらゆる部分がそれとは異なる声を発している。これまで全ての肉体の動きを制御していたはずの頭脳―『理性』をふりかざして有無を言わせず肉体に命令してきた頭脳―に対して今や肉体の各パーツが一斉に反乱を始めたのである。
<反乱者は何者なのだ?>頭脳と肉体の分裂を回避しようと、アブダラーは必死になって疑問を繰り返した。しかし頭の中は混乱し、次第に意識がぼやけ始める。誰ともわからぬ反乱者が彼の頭脳を支配しつつあった。
(続く)
荒葉一也
(From an ordinary citizen in the cloud)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます