(英語版)
(アラビア語版)
Part I:「イスラエル、イラン核施設を空爆す」(66)
第25章 米軍乗り出す(3)米国とサウジの駆け引き(2/3)
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二日後、サウジアラビアの国防相は国防長官に爆撃機3機の上空通過を黙認する、と回答した。しかし給油機については何も触れなかった。国防長官は一瞬問い返そうとしたがその言葉を飲み込んだ。イスラエルのナタンズ爆撃さえ成功すれば十分な成果だ。それによりイスラエル、サウジアラビアそして米国自身も大きなものを得ることができる。その後の空中給油は外交的には大きな問題ではない、と考え直し国防長官はそれ以上深追いしなかった。
ただ国防長官は国防相の電話の声に含みがあるのを聞き逃さなかった。部下の空軍参謀本部長が懸念していた作戦をひょっとするとサウジアラビアが実行するかもしれない-----。国防長官の予感は的中した。しかもそれは更なる不幸をもたらすものであった。
(続く)
荒葉一也
(From an ordinary citizen in the cloud)
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