ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

Yahoo! goes to Hollywood

2005年03月20日 | ITS
今週のTIMEに、本家Yahoo US がオンラインエンターテインメントビジネスに挑戦する記事が掲載されている。
Yahoo! goes to Hollywood

本家Yahooがハリウッドのエンタメビジネス(映画、TVプログラム)を取り込もうをしているという話だが、まさにライブドア/フジテレビ騒動と同じ発想である。

サーチエンジン型ポータルの王者Yahoo!は、二つの意味でエンタメを取り込みたい。
一つはポータルの利用者数、訪問者数維持・拡大である。Yahoo自身、現在のポータルビジネスの殆どが広告収入であることを認めており、そのためのポータルとしての魅力拡大に、エンタメは欠かせないと見ている。

もう一つの意味は、オンラインコンテンツ提供によるビジネスだ。しかし、これは難しい。実際にYahooも2003年にABCニュース、CBSのスポーツ、ナショナルジオグラフィックなどの映像コンテンツを見ることが出来る有料の「プラチナサービス」を開始したが、失敗している。

しかし、音楽配信は結局アップルiTune storeで離陸したし、映像コンテンツ業界も著作権問題で二の足を踏んでいると、痛い目にあうだろう。

とまあ、こんな内容の記事だ。

一方、ホリエモンもこうした動き、つまりはエンタメコンテンツの取り込みがポータルビジネスとしての生き残りには不可欠であることを承知しているのだろう。そしてLIVEDOORがポータルとして生き残らなくては、現在のエクイティはバブルのように消滅することもよくわかっているのだろう。

第3-4位のポータルにとって、それらのビジネスを有利に取り込む方法は買収しかない、というのは、おそらく事実だ。
しかしインターネットポータルを生き残らせるためにTVメディアを買収するというのは、普通に考えれば逆だろう。とくにTV側の人間にとっては極めて不愉快な話だ。

今現在、TV業界はポータルと組む気はなさそうだ。たいしたメリットが無い。自らのコンテンツが最も高く売れるのは、自らの放送ネットワークであり、インターネットに安売りするメリットはない。ネット広告の規模は所詮1500億円/年レベルであり、TVのそれの10分の1だ。

仮にネット配信を本格的に始めるとしても、TVメディアは自社で構築するだろう。

こうした環境を考えると、サーチエンジン型ポータルとして今後生き残る為には、ホリエモンとしてはこの選択肢しかない、という結論に至ったのだろう。

資金力とか、買収の詰め将棋では勝つことが出来るかもしれない。
しかし、問題はその後だ。AOLがタイムワーナーを買収し、結局失敗したことは記憶に新しい。
今回のホリエモン一派と本家Yahoo!との一番大きな状況のちがいは、人的経営資源だろう。
本家Yahoo!のCEOセメル氏はハリウッド出身。ワーナーBrosで活躍していた人間だ。また、副社長クラスにもハリウッド人材を引き抜いている。
そして、逆に言えばそれだけのバックグラウンドと人脈があっても、インターネットとエンタメの融合はまだ成功していないのだ。

車の中のインターネット(さらに続き)

2005年03月20日 | ITS
後席にモニターを置くのであれば、車内でのインターネット接続は十分に現実的だ。
しかし、実際にはそれに対応した商品はない。

後席用の車載液晶モニターはいくらでもあるが、正式に車載に耐えるパソコンというのはない。車載する場合はものすごくスペックが厳しい。ダッシュボード付近は真夏に100度を超える。
また、対振動性能も家電品とは比べ物にならないほど厳しい。
例えば今、I-Podを車載する用品が多数出ているが、肝心のI-Podは車載スペックに対応していない。真夏に車内に置きっぱなしにして壊れてしまっても文句は言えない。

そうなると、結局のところはノートPCということになる。
ノートPCを車内に持ち込んでDC12V充電器で給電すれば、特に特殊な事をしなくても車内にPC環境を持ち込むことはは可能だ。
パケットつなぎ放題のようなサービスなら、まずまずリーズナブルな価格で車内インターネットができる。

やろうと思えば既に出来ることなのに、それほどやっている人はいないということは、結局あまり需要がないのかもしれない。
しかし一方で考えれば、車の後席でPCを使うようなユーザー層にとっては、ノートPCに12Vで給電し、モバイルでネットに接続するという手続きは、費用、手間、知識のどの面をとってもハードルが高い。

例えば標準装備もしくは純正のオプションで後席からインターネット接続(WEBブラウズ)が出来る車があったら、果たしてどうなのだろう。

私はテレマティクスなんかよりは可能性があると思う。
既に小学校低学年でも、自分でネットに接続する時代だ。ファミリーカーの後席でのネット接続需要は単に顕在化していないだけで、かなりある。
ハードの価格がこなれることが前提だが、もう一つの要素は通信料だ。
後席モニターによる接続は使用時間が限定される。少なくとも、後席に乗員を乗せてドライブしている最中しか使わない訳だから、例えば通信キャリアも専用端末に対する戦略的なつなぎ放題料金を設定するという手はあると思う。

ハードメーカーと通信キャリアのコラボがあれば、可能性は十分あるだろう。