3月31日に国交省(
国土技術政策総合研究所)から「次世代道路サービス提供システムに関する共同研究」の
成果公表があった。
そのレポートの中に、ETCの駐車場利用について詳細に検討した資料があるのだが、中身を読むとその実現にむけたハードルの高さが浮き彫りになる。
簡単に要約すると、
・先日発表されたETCの民間利用のスキームでは駐車場利用については問題が多い。
その理由は事前契約が必要で一元客が利用できないこと、契約商業施設利用に
よる割引の仕組みが作れないこと。これは先日私が指摘した通りだ。
・車載器をクレジット会社の発行する接触型IC付きクレジットカードとコンパチ
にすれば一元客の利用は可能になるが、完全フリーな割引処理は依然として難しい。
当然車載器は対応するものに交換する必要がある。
・スムースな割引処理を実現するためには、IC付きクレジットカードのICに
アプリを追加可能な「多機能ICクレジットカード」にしなければならないが、
車載器の交換に加え、割引システムの全国的な統一、商業施設のPOSレジ入れ替え、
クレジットカードのIC部分刷新など、非常にハードルが高い。
つまり、ユーザーにとって満足できるノンストップ駐車場システムの構築にはとんでもない投資と労力が必要になる。
それで何が実現するのか、ということが問題だ。
最近は事前生産機方式も増えており、クレジットカードも使える。
つまりは、単に駐車場の出入り口で一旦停止し、カードをとるかとらないかだけのことなのだ。
しかも、駐車場を日常的に利用するドライバーは限られる。
費用対効果、特に社会的な効果を考えたら、とても間尺に合う話には思えない。