ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

安全走行支援実証実験の概要

2007年02月03日 | ITS
2007年に首都高速などで実施する安全走行支援実証実験の計画が見えてきた。
ビーコンVICSを利用した参宮橋実験の延長線のようなものだろうと思っていたが、主たる通信メディアはDSRCだという。

当然、現在車両に装着されているETCでは交通安全情報は表示できないので、専用車載器をモニターに貸与し、コメントを取るようだ。

車載器は音声ガイダンスタイプと、ナビ一体型らしい。

音声ガイダンスタイプは、「この先カーブ注意」などの情報を音声で警告するタイプ。
しかし、将来の普及を考えた時、音声ガイダンス単独機能の車載器というのはありえないだろう。まあ、通常のETC車載器に対する付加価値機能としては成立するかもしれない。だけど、そんなのうるさくてオフにしちゃう人も多そうだけど。

ナビへの一体化というのは、どうだろうか。
DSRCなら比較的多くのデータを送れるため、進行方向の渋滞状況の画像を表示、といったことも出来るらしい。
しかし、現在のビーコンVICS簡易図形ですら運転中の理解は難しいのに、これ以上複雑な情報を運転者に提供し、運転注意をそらすことが良いことなのだろうか。

そうした情報提供が消費者に対して有効な付加価値となるなら、ほうっておいてもナビはその方向に進化する。消費者が価値を感じないなら普及しない。それだけのことだろう。

しかし、ビーコンVICSがいつまでたってもナビの標準装備にならないという現実を考えると、どうも難しいのではないだろうか。

何度もいっていることだが、安全にかかわる走行情報は全運転者が運転視野から目をそらさずに認識できる路側表示機でおこなうべきだと思う。