ITSを疑う

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日本の車検制度について2 何を取り締まるべきか

2007年02月05日 | 雑記
1995年の規制緩和当時、車検の現場は相当混乱したに違いない。昨日まで改造車だったものが、合法になってしまったのだから。

規制緩和以降は、検査場の改造車に対するチェックは保安基準に合致しない違法改造の取り締まりにフォーカスされている。前面ガラスのスモークや、タイヤのはみ出し、歩行者の足元をすくうような出っ歯などだ。

これらが危険な改造であることは間違いない。
しかし、検査官のなかには保安基準適合を極めて厳格に運用する人もいる。

たとえば、ウインカーつきドアミラー。
殆どの自動車メーカーで純正用品として販売しているが、保安基準では方向指示器は「左右対称」と規定されている。

一方、ドアミラーは実は左右対称ではない。運転席が右についているから微妙にオフセットされている。
それを理由に車検不通過にする検査員が、かつては存在したのだ。

巻尺で計らなければわからない左右非対称になんの危険があるというのだ。
逆に、方向指示器をドアミラー部に装着することは視認を向上させ、事故防止につながる安全装備だろう。

この件は業界で陳情し条文を変更してもらうことで解決したらしいが、まったく馬鹿馬鹿しい話だ。

たしかに、「ちょっとなら良い」という判断をしてしまうと判断基準に収拾がつかなくなるのも事実かもしれない。しかし本来の車検制度の意味である、「危険な車を排除する」という機能からは無意味な摘発だと言わざる得ない。