ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

米サテライトラジオ2社が合併

2007年02月21日 | ITS
米サテライトラジオの2社、XMとシリウスが合併を計画しているとのこと。

サテライトラジオについてはこのブログでも何回か紹介している。

2005年の7月のエントリーでは「完全に離陸した」と書いたが、契約者は順調に拡大しているものの、XMもシリウスも未だに黒字化していないらしい。
そこへ持ってきて、年末クリスマス商戦が思ったほど伸びなかったことが合併話をより具体的にさせているようだ。

日経新聞に出ていたグラフでは、両者とも契約者、収入ともに急速に拡大しているが、収益は依然として赤字になっている。
契約者が増えれば固定費をカバーして収益はどんどん良くなるのが普通で理解しにくいグラフだか、そのカラクリはこうだ。

まず、アクイジションコストが高い。
アクイジションコストとは新規顧客を獲得する費用で、こうした月極め購読料が見込める商品の場合は初期費用を格安にして利用料で回収するビジネスモデルを採用することが多い。ゼロ円ケータイもそうだし、ディアゴスティーニの初回390円もそうだ。

サテライトラジオの場合は、カーメーカーに格安でラジオを提供する、という戦略をとっている。
ユーザーは車を買うと、最初からサテライトラジオが付いてくる。確か試聴期間があり、それ以降契約するか否かはユーザー次第というようなシステムだったと思う。

全員が契約すれば数ヶ月でラジオのハードウエア代の元は取れるが、もし契約率が10%だとすると、元をとるのに4-5年かかる。それでは商売にならない。

つぎに、コンテンツ料に金がかかる。
今まではXM/シリウスが真っ向から競合していた。両者ともサービスの内容に差はなく、差別化はコンテンツでしか出来ない。
勢い、ライバルに負けない人気コンテンツ(音楽ではなく、トークショーなど)の獲得に金がかかる。
これは合併することである程度コントロールすることが可能だろう。

サテライトラジオの契約率が最近落ちてきている理由として、iPodによるpodcastの影響が挙げられていた。これは本当なのだろうか?
確かにpodcastで好みの番組を自由に手に入れることが出来れば、サテライトラジオはいらないかもしれない。しかし、いくらプラグアンドプレイとはいえ、毎日iPodを更新するのは面倒だとおもうのだけど。