ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

スマートTV?

2011年12月01日 | 雑記
つい先日、「インターネットTVはブレイクしない」というエントリーをしたばかりだが、最近は「スマートTV」という言い方がされていて、今後のTV関連の目玉商品であるという見方もあるようだ。
JBプレス記事「スマートテレビは間違いなく普及する
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スマートテレビの定義は、ネットに接続されていて、かつ高い処理能力のあるCPUを搭載していること。
前者だけの場合をインターネットTVというらしい。

で、この記事では「スマートTVが間違いなく普及する、その根拠はユーザー調査で判明した」とあるが、実際の調査結果は「TVでYoutubeなどを観たい」19%、「TVでオンデマンド有料映画を観たい」10%という内容で、どちらかと言うとあまり消費者は関心を持っていないとしか、私には思えない。

さらに、「スマートTVはスマートフォン並に普及する」というタイトルでグラフが示されている。
現時点でインターネットTVの国内普及台数が400万台、スマートTVはなし。それに対して「スマートテレビ普及によるネット利用率の増加によって、2016年度には現在の4倍近い1532万世帯にまで拡大すると見込まれる。そのうち、スマートテレビを利用する世帯は、約半数の770万世帯に上ると推計する」と書かれているが、その根拠はどこにも示されていない。
その根拠が無い予測が、文末では「5年後までにスマートテレビがテレビ関連市場にもたらす変化の規模は、スマートフォンが携帯電話市場にもたらした規模と同程度となる」という断言に変わっている。

全く分析の体をなしていないレポートなのだが、これがかの有名なNRIに属する研究員のレポートだとはちょっと信じられない。

我が家では、リビングに40インチ液晶があり、それはアップルTVが接続された「インターネットTV」だが、私一人の時しか使わない。テレビの前のテーブルに私と娘の各々のノートブックがあり、ネットコンテンツはそれで各々が見ている。さらにふたりとも傍らにiPhoneを置いている。
ネットはパーソナルかつプライベートなものだから、どうしてもそうなるのだ。家人がいるときにそうしたコンテンツを大画面で見ようなんて誰も思わない。

多分この先、大概のTVには差別化のためにネット接続機能が装備され、そういう意味では「普及」するだろうが、それはガラケーがスマホに代わっってしまったようなパラダイムシフトを意味するものではない。