ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

ワンセグとデータ放送

2006年04月09日 | 雑記
ワンセグが正式に始まってから、ワンセグはデータ放送を活用して独自のコンテンツによる新しいビジネスが期待される、という論調が多い。
しかし、はっきりいって消費者はだれもワンセグ独自コンテンツなんて期待していないんじゃないか?
私は、通常放送と同じ内容の放送(サイマル放送)以外、ワンセグのコンテンツはありえないと思う。

データ放送に関していえば、12セグと条件は変わらない。
しかし、携帯であればその場で通信可能だから、ネットショッピングや双方向型の番組ができる、だからワンセグには大きな可能性がある、という。

でも、「せっかく出先でもテレビを見ることができると思っていたらテレビショッピング専門チャンネルになっちゃった」なんてありえないでしょう。
あと、双方向型コミュニケーションって時々生放送で電話を使ってやっているけど、あれってそんなに面白い?
私は絶対にキラーコンテンツにはなりえない代物だと思う。

そもそも、テレビって動画を見るものだからデータ放送なんておまけでしょう。価値ある文字情報なんてスポーツ中継の時の選手データくらいじゃないの?

それも家庭用TVの大画面ならまだ分割して文字情報を見るのも良いけど、携帯画面じゃどうしようもないんじゃないのか?

「番組で女優の着ている洋服をその場で購入する」という例がしばしば言われていたが、それって本当なの?

たしかにドラマの主題歌のダウンロードなど、詳細に見ていけばビジネスチャンスは結構あると思う。
でも、大騒ぎするようなマーケットはない。

ワンセグは、おうちに帰れない人が見逃せないTVを出先で見るためのものであり、それ以上になることはない。

というか、それだけで十分大市場だ。
TV局はワンセグの視聴率・視聴形態の把握と、それに対して効き目のあるCMのありかたを考えることこそがビジネスチャンスだろう。

DTS-001

2006年04月07日 | 雑記
余談ですが。

原田工業のワンセグ地デジチューナーの型番DTS-001でググると「女子高生盗撮」が大量にヒットする。

メーカーさんは商品の型番とか品名を決める前に一回検索サイトでチェックした方がよさそうですね。

なお、DTS-001(ワンセグチューナーの方)は6月発売だそうです。

国交省発表からわかったETC駐車場利用の非現実性

2006年04月07日 | ITS
3月31日に国交省(国土技術政策総合研究所)から「次世代道路サービス提供システムに関する共同研究」の成果公表があった。

そのレポートの中に、ETCの駐車場利用について詳細に検討した資料があるのだが、中身を読むとその実現にむけたハードルの高さが浮き彫りになる。

簡単に要約すると、

・先日発表されたETCの民間利用のスキームでは駐車場利用については問題が多い。
 その理由は事前契約が必要で一元客が利用できないこと、契約商業施設利用に
 よる割引の仕組みが作れないこと。これは先日私が指摘した通りだ。

・車載器をクレジット会社の発行する接触型IC付きクレジットカードとコンパチ
 にすれば一元客の利用は可能になるが、完全フリーな割引処理は依然として難しい。
 当然車載器は対応するものに交換する必要がある。

・スムースな割引処理を実現するためには、IC付きクレジットカードのICに
 アプリを追加可能な「多機能ICクレジットカード」にしなければならないが、
 車載器の交換に加え、割引システムの全国的な統一、商業施設のPOSレジ入れ替え、
 クレジットカードのIC部分刷新など、非常にハードルが高い。

つまり、ユーザーにとって満足できるノンストップ駐車場システムの構築にはとんでもない投資と労力が必要になる。

それで何が実現するのか、ということが問題だ。
最近は事前生産機方式も増えており、クレジットカードも使える。

つまりは、単に駐車場の出入り口で一旦停止し、カードをとるかとらないかだけのことなのだ。
しかも、駐車場を日常的に利用するドライバーは限られる。

費用対効果、特に社会的な効果を考えたら、とても間尺に合う話には思えない。

携帯ナビゲーションについて

2006年04月06日 | ITS
以前、このブログでも紹介した携帯電話によるカーナビサービス「ドライブステーション」が、ひっそりと幕を閉じる
au助手席ナビなどのGPS携帯電話に対して優位性を打ち出せなかった。
たしかに携帯電話の取り付けキットと専用GPSアンテナで27800円、かたやGPS携帯があればすぐ使える、では勝負にならないだろう。

2005年の日刊自動車新聞「自動車用品大賞」に輝いた商品が、その後半年で消えてしまうことになる。通信は一歩読み間違うと大失敗をする世界だ。

欧米豪では、ポータブルナビが流行している。確かに複数のクルマで使え、外でも使えるから車載よりも合理的だ、という考えはわかる。

しかし、アナリストによればこのブームも一時的なもので、GPS携帯が普及したら終わりになるだろう、とのこと。

私は逆に欧米豪でも結局は日本のようにナビはAVN化や標準装備化へ向かっていく、という意味でポータブルナビは一時的なものだろうと思っている。
吸盤で窓に貼り付け、シガライターからコードがでるような商品が永く続くとはとても思えない。

これはすでにカーエアコンやカーステレオがたどった道なのだ。

カーナビとワンセグについてもう少し考えてみた

2006年04月04日 | ITS
カーTVでのワンセグはおまけだ、と書いてきた。おそらく、車載AVメーカー各社ともそう考えていたと思う。
三洋だけが、ゴリラの発表会で「カーTVはワンセグが主流になる」と主張しているが、他社は12セグ本命とみているだろう。

確かに設置スペースや消費電力の制約がない車載にワンセグの意味は小さい。
しかし現状の視聴可能地域を考えると、どうもそうでもなさそうなのだ。

松下の車載地デジでワンセグアップグレードした人の話を聞くと、
「画像は劣るが、エリア拡大のメリットは大きい」
「車内で見る分には、画像劣化は大きな不満ではない」
ということのようだ。
確かに少々ボケた映像でもアナログのちらつきに比べれば雲泥の差だろう。

もうひとつの要素は価格だ。現在の「定価10万円」はマニア向け価格だろう。
しかし、ワンセグ専用機なら安くできるかもしれない。

現在、車載ワンセグチューナーは原田工業の製品しかない。
まだ市場には出ていないようで、(追記:6月発売とのことです)実売価格情報もないが、実売3万円程度であれば十分商品力があるだろう。

一方の選択肢は近日発売の松下の新商品。ワンセグ対応の12セグ地デジチューナーだ。
75000円(税抜き)の定価なので、いずれ実売6万をきる可能性が高い。
(アンテナが別売なので、実際の費用はもっと高いけど)

ただし、数年後に12セグ電波が全国にいきわたれば車載ワンセグチューナーに価値はなくなる。

ETC民間開放 産経新聞の記事で思うこと

2006年04月02日 | ITS
今日の産経新聞朝刊に『「ETC」 GS、駐車場に開放 電子マネーに大化け?』という記事がのっていた。

そもそも車の中で小銭を払う機会がどのくらいあるのかを考えれば、電子マネーとして大化けなんか絶対にしない、と考えるのが普通ではないのだろうか?

さて、書かれているとおり「期待がかかる一方、慎重論も」という大まかな流れはそのとおりだろうが、個々に見ていくとこの記事には微妙に誤解がある。

まず、国交省がETCの民間開放に慎重だったのは、セキュリティの問題だが、そこで懸念されていたのは個人情報ではない。単に高速料金の不正利用だ。

また、新日本石油のコメント、「クレジット機能がついた自社カードも発行しており、ETCをすぐ導入する計画はない」という記載も相当にとんちんかんだ。これは、記者の勘違いかもしれないが、そもそもETCを民間開放したからといって、ETCカードでは決済できない。決済するカードは別に用意する必要があり、それはエネオスカードでも全然かまわない。そのカードをユーザーは「サイフからださなくても良くなる」というだけのことなのだ。

繰り返すが、ETCの民間利用は石油元売りもしくは駐車場大手が、顧客囲い込みのために「戦略的な観点」で導入する、というストーリー以外はありえない。それはあくまで長期的に見た顧客囲い込みコストであり、それ自身が収益モデルには絶対にならない。

したがって、これらのキープレーヤーがその気にならなかった場合は、この構想自体が消えてなくなってしまうと思う。

車載地デジチューナーつけてみた 続報

2006年04月02日 | 雑記
昨日つけた地デジチューナー(三菱電機TU-100D)で、都内を走ってみた。
23区内では、ほとんど電波は途切れない。住宅街などの狭い道にはいると、断続的に途絶えることはあるが、広い道ではまったく問題なかった。
そもそも走行中に見るべきではないが、特に住宅街の狭い道なんていうシチュエーションはむしろ電波が途切れてしまうほうが正解だと思う。

広い道を走っている限り、高速道路高架下でも問題ないのには驚いた。
甲州街道の高速4号線の下、下高井戸あたりから環状8号にかけては六本木ヒルズによる電波障害地域だが、まったく問題なく視聴できた。

そのまま甲州街道を西へ進んで仙川までいき、そこから狛江の方に南下したが、何回か断続的に途切れることはあったが気になるレベルではなかった。

ただ、地デジの場合電波が途切れると音もまったく出なくなるが難点だ。
アナログTVは画像は乱れるが、音は何とか聞こえる、というシチュエーションが多い。

データ放送も試してみたが、これはカーナビの画面では厳しい。
最近のカーナビ用モニターは解像度がPC並のものも増えてきたが、それにしてもどこかに駐車してゆっくり顔を近づけて見るという使い方以外は無理だろう。

カーナビとワンセグ 続報

2006年04月01日 | ITS
ニフティーの「瞬!ワード」本日(4月1日)の15時~16時の計測分で「ワンセグ カーナビ」が検索ワード1位になった。

今日からワンセグの本放送(といっても、昨日までやってた試験放送と変わらないが)で携帯でもワンセグが見れる、ということから、じゃあカーナビではどうか、と思うのは自然な発想だろう。

車載の地デジチューナー自体、昨年5月から市場に存在するし、車載では受信エリアが広いこと(それも、今のうちだけ)以外、ワンセグの意味はない。
受信機の大きさや消費電力の関係で携帯ではワンセグでなくては無理なのであって、それは車には関係ないのだ。
しかし、ワンセグが騒がれてきたので、今後消費者の注目は一気に高まってきそうだ。

数日前、カーナビ(正しくはカーTV)に付けることができるワンセグチューナーはない、と書いたが、らくなび大辞典様からすでに存在する、とご指摘をいただいた。

原田工業 PALUSE DU1 [DTS-001]

原田工業は自動車アンテナの世界では第一人者で、有名家電メーカーのナビやカーTV に入っているアンテナもほとんど原田製だ。

ワンセグはカーTVだといまいち画像に不満があると思うが、12セグの車載地デジチューナーに対して価格メリットがあれば、ヒットが予感させる商品だ。
いま市場に存在する車載地デジチューナーはどれも定価で10万円弱、実売価格でも6万円以上する。

原田工業のWEBサイトでは価格はオープンのようで表示無し。また、未だネット通販ではどこも取り扱っていないようなので、価格についてはわからなかった。

この手の商品は3万円がターニングポイントとなる。3万きったら車載地デジは急速に普及を始めるだろう。

車載地デジチューナをつけてみた

2006年04月01日 | 雑記
自家用車に車載地デジチューナーを装着した。
仕事の関係で会社にいくつかサンプルがあり、松下を同僚が、三菱電機を私がつけることになった。

取り付け要領を見る限り、常時電源、アクセサリー電源、イルミ電源を取るだけでOKなので、さほど難しいことはないと判断、近くのオートバックスで端子などを購入。

しかし、オートバックスでも若者のクルマ離れを痛切に感じる。
かつては土曜のオートバックスといえば若い人が沢山いたのに、いまはオイル交換待ちのおじさんはかりだ。自動車用品の売り場は閑散としていた。
カーショップがメンテナンス事業への転換を急いでいる、というのもうなずける。

地デジチューナーの取り付け自体は特に難しいことはなかった。といっても、電源ととるのにインパネをはずしたり、アンテナ線を隠すのにピラーを外したりと、かなりクルマの内装をばらしたので3時間ほどかかってしまった。
終わってみれたらタッピングが2本余ってしまうという、よくある笑い話のようなことになった。いくら考えても、どこのネジだか思い出せない。

接続は元からついているカーナビのTVチューナーのVTR入力端子にRCAコネクタでAV入力し、VTRとして認識させるやり方。既存のTVへつなぐ場合はこれしか手がない。

簡単に家の周りや環状8号のあたりを走ってきたが、この辺では通常の道路を走っている限り安定して受信する。画像は美しく、まったく乱れない。ガード下でも大丈夫だった。

しかし、残念なことに自宅前の細い道では、受信しない。信号がなくなると、モザイク画面のようになった後ブラックアウトしてしまう。
私の家のあたりは六本木ヒルズの電波障害指定地域だからだろうか。

データ放送などの機能チェックはこれからだが、走行中にきれいな映像を見ることができるだけでも、非常に満足度の高い商品だと思う。

明日は少し遠くまで行って、どこまで受信できるかを確かめてみよう。