飯士山(いいじやま)は関越トンネル~湯沢に抜けると南面にスキーのゲレンデ(岩原スキー場)からを持つ形も良い山が右前方に見えて参ります。それが飯士山です。
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H10年(歩行5時間 休憩2時間20分)
じめっとした杉林の急登で始まる登山道は朝露を含んだ雑草が生い茂りあまり快適とは言えなかった。おまけに勢いよく流れる沢音さえ掻き消す様に高速道を行き交う車の音がダイレクトに聞こえてくる。
ベンチも何もない第一休憩所
第一休憩所を通り「眺めの尾根」の標識を見ると急な登りも一服し時折、樹間に飯士山本峰が望める様になった。行く手に立ちはだかる、ずんぐりむっくりした「尾根の頭」と呼ばれているピーク迄のしばしの平安である。
やがて道は登りに転じ展望のない灌木の中、ぐいぐい高度を上げていく。尾根の頭で最初の休憩。朝は重く暑さも加わって、ただ黙々と足を運ぶ長く苦しい登りだった。
雄さんが、いきなり「銭形平次だ!」と声を上げた。 恐る恐る戻ると正しく銭形模様のマムシ。木の根元で体を丸めこちらをジッと見据えている。暫くは足元が気になって恐る恐るの歩きだった。
二つ目のピークを越え岩場を下ると、いよいよ期待と不安の鋸尾根だ。直射日光を受けての厳しい登りになりそうだ。
トラロープで最初に踏んだピークからは「尾根の頭」から湯沢の街に落ち込む長く急坂な尾根筋が眺められ、そこを休まず登って来た自分の頑張りをマラソン選手・有森裕子さんの言葉を借りれば「自分で自分をほめて上げたい」・・・だろうか。
次々と頭をもたげるピークは頻繁に現れ左右とも投げ落ちている痩せ尾根を腕力やトラロープで登ったり下ったり。飯士山西面岸壁には高さ20メートルの負欠岩と言う奇岩を持つ壮絶なスラブが目に入ったが写真を写す余裕も無しの鋸歯だった。 「今度こそ最後のピーク」しかし、そう甘くは無かった。再び頭をもたげるピークはまるで鬼の様な形相で立ちはだかる。
鋸尾根との格闘をこなし岩原スキー場からの道と合わせ左に大きくカーブすると漸く飯士山の肩。山頂へは一直線の登りだ。それが又、疲れた体には曲者だった。
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