どちらに行くともはっきりしない相場展開が続いております。
こうした時は、迂闊にエントリーするのではなく、じっくりと相場が上昇に転じた時を狙う考え方があります。いわゆるトレンドフォロー(順張り)投資です。
筆者は、このブログではどちらかと言うと、底値からの立ち上がりを狙っての逆張り銘柄をモニタリングして来ました。それが当たるときもあるのですが、戻り高値での売り攻勢に晒されて、結局は良くても薄利撤退。悪くすれば、損切り遅れとなってしまいます。
ヨレヨレの段階からの立ち上がりは、人に例えれば、病気で退院したばかりの人に「普通に走れ!」と言っているようなものです。ここは、まずはリハビリに励んでもらって入院中に落ちた体力を回復してもらう時間が必要になります。
例を2つ出します。
6501日立と6920レーザーテックです。
まずは、日立ですが、チャートを見れば一目瞭然ですが、11月中旬から下げの一途です。7400円あたりから6000円までの下落。この株の30日間の高値水準を最後に抜いたのが11月22日でした。その翌日に7360円の高値を付け、そこからの転落でした。その後はOSCは30%から40%を行ったり来たり。この段階でエントリーしても、なかなかきちんと取るのは難しいでしょうね。底値だと思っても、更に底があった!という感じで、いわゆる疑心暗鬼になり、良くて薄利撤退、悪くすれば損切りの連続となりがちです。
そこで、別の見方に転換する必要があります。結論から言うと、この株が好転するまでは手を出さないということです。
ではどこで手を出すべきかという点では、レーザーテックが参考になります。
レーザーテックは9月24日以来途絶えていた30日間高値を11月12日にやっと抜きました。日立は11月始めから抜いていたので、少し立ち上がりが遅れていたことになります。
この11月12日のテクニカル指標を見てみると、OSCは前日比+2%の53%、真の高値・安値をともに更新。このパターンは翌日の上げを示唆しております。(もちろん、例外はありますが、7割ぐらいの確率で上げですね。)もし、この日に付けた安値を下回る日があったら、恐らくOSCが前日比で下がってくるし、真の安値も下に行ってしまうので、その段階で手仕舞いですが、レーザーテックは11月17日まで理想的な展開を示しました。30日間高値のサインは11月19日まで点灯しておりますが、OSCは17日の63%をピークに下げてきておりました。しかし、高値のピークは33300円を付けた11月19日でした。ここで売り抜けるのは欲の掻きすぎというものです。
その後のレーザーテックは、OSCを50%台にキープはするものの、30日高値突破のサインは現れませんでしたが、やっと現れたのが12月16日でした。約1ヶ月ぶり。しかし、この日はOSC59%で前日比+1710円。真の安値・高値も大きく更新しているので、強気筋はそのままキープでしょう。
ところが好事魔多し。翌17日は日経平均が520円も下げる日でした。この日の引けまで持つと-730円。OSCも4%ほど下げ、真の高値も下げているので、ここはやむを得ず撤退。(損切り)ということになります。一直線に株価は戻さないということになります。もちろん地合いが良ければ、恐らく損切りしないでも良かったということになるでしょうね。状況はその都度変わりますので、これといった「必勝法」は株の世界にはないことを肝に銘じておくことが肝要ですね。
次にレーザーに30日高値突破のサインが点灯したのは、12月21日でした。OSCは前日比たったの+1.6%の56.2%でした。前日から+1470円も上げておりますが、16日のように真の安値・高値を前日比で700円ほどもの瀑上げはしておらず、真の高値でも330円、真の安値は70円ほどの上げでした。従って、ルール上はここは持ち越し。
翌22日は高く始まり、安値は31370円までありましたが、21日の安値からは大きく上値を形成していたことに注目。冷静に判断すると、この段階で追加買いでしたね。厳密には11月22日の安値の31420円を下から抜く時に買いでした。筆者もこのシーンは見ておりましたが、あっという間の抜き去り劇でした。その後は株価が行ったり来たりするので、結局、森を見ないで木だけ見てエントリータイミングを失したという、情けない結果でした。後は、ご承知の通りに24日まで上値追いでの高値更新劇。
では、このレーザーテックは一体どこまで上がるのでしょうか?
これは分かりません。OSCが9月8日のように70%あたりまで上昇する可能性はあります。その間は迂闊に売りからは入らないことですね。
9月の時を振り返っても、8日にOSC72%を付けた後9月24日まで、30日高値突破の買いサインが点灯しておりました。9月16日には何とOSC71%を付けた8日の終値の29620円にほぼ近い29610円の高値まで付けているのです。この段階で、この株の二枚腰に恐れをなして大きな損失にならないうちに薄利撤退ということに、心理上は陥るかも知れません。
そこで、本日の過去の値動きの振り返りを通じての筆者からのメッセージは、30日高値突破サインが消えた日の引けに売りを仕掛けるということです。安全を期すならば、消えた日の翌日の高値からの下落局面で売りを仕掛けるということですね。
ちなみに、消えたのは9月27日でした。この時の終値は27630円。OSCは前日比-5%の53%と下落基調は鮮明でした。翌28日は安く始まり寄り天でした。引けでは更にOSCが下がって-2%の51%に。その後は40%台から30%台へと落下。10月1日には一度は真の高値・安値を前日から上回りましたが、OSCは-1%の45%に落ちておりました。これはやはり下落のサインでした。
その後は、前日比でOSCがドンドンと落下しており、10月12日に36%まで落として、そこでOSC面では底打ちとなりました。(これも結果論ですが、翌日のOSCが+2%になっている段階で手仕舞いですね。)
こうして、30日高値水準とOSC、そして念のための真の安値・高値の値、これらを総合して「森」の状態を判断し、売買のタイミングを見定めるというのが、このレーザーテックときちんと付き合う上での基本的な処方箋ということになります。
このように、レーザーテックはメリハリがきちんと付いての値動きが特徴ですが、恐らく任天堂の場合にはもっと難しい判断になるかも知れません。別稿で、任天堂についても同様な検証をしてみたいと思います。
レーザーテックの直近の値動きは下記のURLを参照。
https://1drv.ms/u/s!Ajls4YRZxDUFgP8xMWXGplwpr20TTg